「全コマ伏線に」ストーカーに追われる幼なじみと嘘と謎がうずまく同棲生活…漫画ならではの演出冴えるミステリーに反響【作者に聞く】

「嘘つきな女優」とまで称される演技派女優の幼なじみ。ある日、ストーカーに付け狙われている彼女が、青年の家に転がり込んできた。突如始まった同棲生活の中、犯人を探そうとする青年だったが、幼なじみはなにやら嘘をついているようで……。

ストーカーされているという女優の幼なじみ。かくまいながら青年は犯人捜しを始めるが…漫画「台本のない同棲生活」に反響相田カンナ(@aida_kanna)

相田カンナ (@aida_kanna) さんの創作漫画「台本のない同棲生活」に、Twitter上で7000件を超える「いいね」が寄せられるなど注目が集まっている。作者の相田さんに、作品制作の舞台裏を取材した。

幼なじみを狙うストーカー、さまざまな謎が渦巻くサスペンス

「台本のない同棲生活」は、ウェブ漫画の制作をはじめ、「ハイパーコンプライアンサー岩子」(漫画・兎月メイ)の漫画原作、シナリオ脚本を手がける相田カンナさんが5月、自身のTwitterに投稿した作品。話題の女優「文乃」がある日、幼なじみの青年「樹」の部屋に転がり込むところから物語ははじまる。

「台本のない同棲生活」(03)相田カンナ(@aida_kanna)


自宅のドア越しに、見知らぬ人物から突然声をかけられたという文乃。「他に頼る人もいなくて…」と逃げるようにやってきた彼女を、樹は状況を汲んで自宅にかくまうことにする。

「台本のない同棲生活」(08)相田カンナ(@aida_kanna)


ひょんなことから始まった同棲生活に動揺しながらも、文乃のストーカー被害について調べ始めた樹。だが、樹の部屋を避難先にすすめたのは文乃の妹で作家の「文香」だという経緯や、犯人の特徴について「よく思い出せないな」と、なぜかしらを切る文乃の態度に腑に落ちないものを感じていた。

「台本のない同棲生活」(10)相田カンナ(@aida_kanna)


「からかわれているだけかもしれない」と思いながら、それでも犯人捜しを進める樹。一方、文乃が樹の部屋にかくまわれていることが、なぜかストーカー犯にはバレていて――、というストーリー。

「全コマ伏線もしくは意味を持たせる内容に」巧みな構成の舞台裏

カラーページ自体が謎へのヒントとなる漫画ならではの表現を活かした伏線や、「台本のない同棲生活」というタイトルの真相が明かされる結末など、巧みに構成されたミステリーで、読者からは「すごく好きな展開」「感想言いたいけどネタバレになりまくる」「よくもまあそんなに伏線が」と驚嘆のコメントが寄せられた。

「台本のない同棲生活」(25)相田カンナ(@aida_kanna)


相田さんが個人で制作したAmazon Kindleの無料電子書籍「相田カンナのTwitter集」にも収録され、こちらも好評を集めている同作。ウォーカープラスでは反響を受け、作者の相田さんに、アイデアのきっかけや本作でのこだわりなどを聞いた。

――「台本のない同棲生活」を描いたきっかけを教えてください。

「この作品は、漫画家さんたちが集まり共通のお題で漫画をTwitterに公開する企画に参加した際に描いたのですが、周囲の漫画家さんたちが実力のある方々でして……。そのときのお題は『セクシー』だったのですが、私はストーリーを重視する作品を描こうと思いました。恋愛×ミステリーものがいいかなと考え、“ストーカー男から逃げる女優と秘密の同棲生活”という物語が生まれました」

――題名やカラーのカットまで、さまざまな要素が演出となって読みごたえがあります。ストーリーや構成で力を入れた点や、苦労したことがあれば教えてください。

「ミステリーの性質上、作中の容疑者を描く関係でどうしてもキャラクター数が増えてしまったことには悩みました。しかしキャラクター数がカットできなかったので、極力無駄を省いて全コマ伏線もしくは意味を持たせる内容になるよう心掛けました」

――嘘つきでミステリアスな文乃が、読者を翻弄するキャラクターとなっていて魅力的です。人物造形でのポイントを教えてください。

「目や表情を描くことはとても楽しく、大切にしている気がします。造形以外にも行動原理にもなる“キャラの欲求”は必ず設定して描いているかもしれません」

「台本のない同棲生活」(04)相田カンナ(@aida_kanna)


――相田さんはこれまでも多くの作品を描かれています。本作で挑戦したことや、これまでと違う手法を試したという点があれば教えてください。

「今回は作家性をなるべく出さないようにと意識しつつ、ミステリーと恋愛、自分の好きなことや一般的に好かれているものを織り交ぜて、その掛け合わせにどのくらいの反響があるのかを探る感覚で描いてみました」

――本作にはTwitter上で多くの反響が寄せられました。相田さんの作品に興味を持った方に向けてメッセージをお願いします。

「人生の明るい部分も暗い部分も持ち合わせたようなおもしろい作品をなるべく手掛けたいと思っております!今回の作品はもちろん、是非今後の作品も読んで下さるとうれしいです!」

取材協力:相田カンナ(@aida_kanna)

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