カラスは刺さり、不良に絡まれ、隕石接近…!?「超アンラッキー男子が好きな子に告白する話」に反響【作者に聞く】

人生において運が大きく左右することはままあること。幸運があれば不運もあるものだけれど、ツキがアンラッキーに偏りすぎな少年はその不運さゆえ好きな子に告白もできず――。

不運に次ぐ不運の果てに、好きな人への告白はできるのか?漫画「超アンラッキー男子が好きな子に告白する話」野愛におし(@nioshi_noai)

漫画家の野愛におし( @nioshi_noai )さんが自身のTwitterに投稿した創作漫画「超アンラッキー男子が好きな子に告白する話」に、3000件近い「いいね」とともに「めちゃくちゃよいな」「スピード感がいい」と好評が集まっている。

商業作品として「奴隷の私氏 モフモフ主人が尊くて 今日も無事死亡」(少年ジャンプ+)や「ポンコツお嬢様と陰キャ世話係」(ComicWalker)を連載するかたわら、個人制作として描かれた本作。制作のきっかけや作品へのこだわりを作者の野愛さんに聞いた。


不幸に巻き込む少年は、好きな子に告白できるのか!?トラブル続きの読み切りラブコメ

「超アンラッキー男子が好きな子に告白する話」は、野愛さんが今年5月にTwitterで公開したオリジナル作品。頭にカラスのくちばしが突き刺さった少年「倉野」が、自らの不運を呪うところから物語ははじまる。

「超アンラッキー男子が好きな子に告白する話」(02)野愛におし(@nioshi_noai)


普通なら一生ありそうもない不幸な出来事も「これだけならまだいい」と割り切れてしまうほど、アンラッキーが日常の倉野。その不幸は自分のみに留まらず周囲の人にも伝播してしまうことから、至るところで避けられる日々を過ごしていた。

「超アンラッキー男子が好きな子に告白する話」(03)野愛におし(@nioshi_noai)


「一度でいいからラッキーだと思えることが欲しい!」と泣き叫ぶ倉野。彼が一番辛かったのは、不幸を広める体質ゆえ、好きな女の子「日比谷」にその想いを伝えられないことだった。

日比谷はポジティブな女の子で、倉野のアンラッキーぶりを気にせず接してくれる数少ない存在。だが、倉野は告白するどころか「不運がうつるぞ」と、自分から彼女を遠ざけてしまっていた。

そんなある日、倉野は不良少年たちに絡まれる日比谷を目撃する。そこに「その手を放せ…!」と、震えながら割って入る倉野。その姿になめてかかる不良たちだったが、突然首輪の抜けた犬に突進されたり、その勢いで用水路の溝にはまってしまったり、そこに大量の水が急に流れ込んできたりと、倉野に不運をうつされ踏んだり蹴ったりな出来事に見舞われる。

「超アンラッキー男子が好きな子に告白する話」(08)野愛におし(@nioshi_noai)


その不運に「むかつくからテメェをボコしてやる」とナイフを向けられた倉野は、身を挺して日比谷をかばう。だが不幸はこの事態に留まらず、彼らの頭上には巨大な隕石が近づきつつあり――、というストーリー。

個人制作だからこそできる、新しいジャンルや技術への挑戦

「超アンラッキー男子が好きな子に告白する話」(09)野愛におし(@nioshi_noai)

とにかくツイていない倉野と、その想像を絶するアンラッキーぶりで目まぐるしく動く展開が魅力のラブコメ作品。「これまでラブコメらしいラブコメを描いたことがなかった」という野愛さんが習作として描いたという本作。今回は野愛さんに、作品のアイデアや描くうえで意識したポイントを取材した。

――「超アンラッキー男子が好きな子に告白する話」を描いたきっかけを教えてください。

「『ラブコメ読み切りの練習をしよう!』と思いつき描いた作品です。これまでラブコメらしいラブコメを描いたことがなかったので『自分の思うラブコメ』を自分らしく仕上げたものになります。ラブコメにしてはかなりコメディ寄りになってしまいましたが、それも自分らしさかなと思っております」

――「不幸に巻き込む」体質を逆手に取った活躍や、これまでの不幸が逆転する結末が光ります。アイデアはどんなところから膨らませていったのですか?

「昔読んだ本で、『不運が続くと、その後にとてもラッキーなことが起こる』という考え方にかなり救われた時期がありました。今でも大事にしている言葉なのですが、今回はこの言葉を元にストーリーを作ってみました。

このお話で一番のラッキー部分が“告白成功”なので、それをゴールにストーリーを膨らませました。結末との落差を大きくするために、序盤で思い切り不幸展開にしましたがあまり不幸すぎると重くなってしまうので、そこは読みやすいようにコメディにしたり、見た目に反してダメージの少ない不幸にしています(笑)」

「超アンラッキー男子が好きな子に告白する話」(11)野愛におし(@nioshi_noai)


――個人制作として描かれた本作ですが、商業連載との違いやアプローチを変えた部分はありますか?

「商業ですと、より多くの方に受け止めてもらえるよう読みやすさを重視してお話や絵柄を作ったりしています。ですが、作品にはとがった部分も必要かなと思っていますので、自分にしかできない展開運びや表情など、絶対に外せない部分は大事にしております。

個人制作ですと、『読みやすさ』などのフィルターを外せるので、新しいジャンルの勉強や、さらなる技術向上のための練習をかねて、その都度今まで描いたことがないようなものに挑戦したりしています。今はSNSなどで読者の反応を確かめながら描き進められるので、とても楽しいです!」

――野愛さんが本作にこめた思いを教えてください。

「この作品は、サクッと読めて、でもなにか読んだ方に得るものがあってほしいと思って描いた作品で、いろいろなメッセージを込めていたりします。

たとえば、主人公が最終的に幸運をつかみ取ったのは運要素だけでなく、ヒロインを助けるために勇気を出したところから始まっている。『現状を変えるためには少しだけ勇気を出すことが必要』というメッセージをこめてみました。ただ、そこにスポットを当てた展開にしたりキャラクターにそれを言わせてしまうと、物語の軸がちょっとぶれてしまう気がしたので、あまり前面に出さず隠しメッセージ程度にしてあります」

「超アンラッキー男子が好きな子に告白する話」(13)野愛におし(@nioshi_noai)


――本作で興味を持った読者に向けてメッセージをお願いします。

「まず、たくさんの方の目に留まることができてとてもうれしいです!こちらは清書していない走り書きなので、後にブラッシュアップしてもっと読みやすくしてまた掲載したいと思っていますので、その際は是非読んでいただけるとうれしいです!テンポはそのままに、展開はもう少し丁寧にするなど改良すると思いますので、読み比べてみるのもおもしろいかもしれませんね。

また、本作に興味を持っていただけた方は、現在連載中の 「奴隷の私氏 モフモフ主人が尊くて 今日も無事死亡」「ポンコツお嬢様と陰キャ世話係」 を、もっともっととがった作品が読みたいという方には 「ベランダに猫(?)が来た」 をぜひ読んでいただきたいです!」

取材協力:野愛におし(@nioshi_noai)

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