お見合い相手は“コミュ障”で“虚無僧(こむそう)”!?「お見合いに凄いコミュ障が来た話」が「想定の斜め上」と衝撃【作者に聞く】

婚活に苦戦する中年男性。無愛想な部下から「凄いコミュ障なんですけど…」と友人を紹介されるが、当日現れたのは“凄い虚無僧”で――!?

「凄い虚無僧来た」お見合い相手は虚無僧姿のコミュ障さん!?前代未聞のラブコメが話題矢野としたか(@edoya1)

漫画家の矢野としたか( @edoya1 )さんの創作漫画「お見合いに凄いコミュ障が来た話」が、意表を突く展開でTwitterで5万件を超える「いいね」とともに「続き気になる」「想定の斜め上方向」「そうきましたか」と大きな反響を呼んでいる。作者の矢野さんに、アイデアのきっかけや制作で意識しているポイントを聞いた。

「凄い虚無僧来た」お見合いにやってきた女性のキャラが強すぎる

「お見合いに凄いコミュ障が来た話」は、矢野さんが自身のTwitter上で5月から投稿をはじめたオリジナル漫画。お見合いが実を結ばないでいた40歳のサラリーマン「伊丹」が職場で愚痴をこぼす場面から物語は始まる。

「お見合いに凄いコミュ障が来た話」第1話(01)矢野としたか(@edoya1)


話を聞いた同僚は、ちょうどオフィスにやってきた部下の女性「園田」に友人を紹介してほしいと持ち掛ける。素っ気ない態度の園田だったが、意外にも伊丹に「野田」という友人とのお見合いをセッティングする。

園田いわく、「凄いコミュ障」だという野田。その言葉を証明するかのように、彼女は頭をすっぽり覆う編笠を被った、“コミュ障”ならぬ“虚無僧(こむそう)”姿で待ち合わせにやってきた。

「お見合いに凄いコミュ障が来た話」第1話(04)矢野としたか(@edoya1)


「男性と一対一が苦手で」と編笠を被る理由を説明する野田に、呆気にとられながらも(そこまで気にするほどコミュ障じゃないよな…)と思う伊丹。が、野田はいきなり「子供は何人欲しいですか!?」と、段階を踏まずに将来への質問を投げかけてくるなど、外見だけでなく内面もしっかり独特だった。

「お見合いに凄いコミュ障が来た話」第1話(06)矢野としたか(@edoya1)


そんな彼女だが、伊丹は意外にも価値観が重なるものを感じ、好印象を持つ。後日、伊丹は「また会えないかな」と次の機会の仲介を園田に頼む。園田は、「一応連絡しときます」と言いつつも、野田のどこに惹かれたのかなぜか根掘り葉掘り質問してきた。

「お見合いに凄いコミュ障が来た話」第1話(10)矢野としたか(@edoya1)


実は「野田」の正体は、編笠で顔を隠した園田その人。伊丹が去ったあと、カバンから編笠を取り出した園田は、普段の不愛想が嘘のように「子供いっぱい産も!」と伊丹への想いを叫ぶのだった。

寝かせていた「ダジャレ」から生まれた新感覚ラブコメ

気持ちと裏腹に素っ気ない態度を取ってしまう普段の「園田」と、編笠を被りアクセル全開の「野田」、タイプの異なる不器用さが備わった女性とのお見合いを描く同作。インパクト大の虚無僧姿が読者の笑いを誘う一方、じっくりと進展する二人のお見合い模様に「続きが楽しみ」という声も多く寄せられている。

「お見合いに凄いコミュ障が来た話」第1話(11)矢野としたか(@edoya1)


作者の矢野としたかさんは、『放課後バッセン娘!』、『おもいがおもいおもいさん』(ともに白泉社)などで知られるプロの漫画家。今回は、個人制作として描かれる「お見合いに凄いコミュ障が来た話」の舞台裏をインタビューした。

――「お見合いに凄いコミュ障が来た話」を描いたきっかけを教えてください。

「某誌で進めていた連載企画がボツになり、一生懸命頑張るのに疲れてしまって……。一度、Twitterで軽めの漫画を描こうと思ったのがきっかけです」

――“虚無僧”姿のヒロインは衝撃的でした。

「コミュ障と虚無僧というネタ自体はずっと前から頭の中にはあったんですが、ダジャレの域を出ないアイデアだったのでずっと寝かせていました」

――どこか暴走気味な「野田さん」と、素っ気ない「園田さん」、2つの不器用さを併せ持つキャラクターもおもしろいです。

「 一発ネタのつもりだったので、最初はそこまで深く考えていませんでした。 実は途中まで、園田さんと野田さんは本当に別人として描くつもりだったんです。が、オチに差し掛かった時に『野田さんの中身が園田さんだった方がおもしろいな』と思い、こういう形になりました。今思うと、別人だったら何もおもしろくないですね」

――コミカルな描写が笑える一方で、じっくりと進む恋愛模様も続きが気になります。コメディとシリアスの塩梅は、どんな意識で描かれていますか?

「基本は明るいお話にしていますが、長く続けば、いずれ伊丹が1年間婚活に失敗している理由に触れる必要が出てくるので、重くなりすぎないようにその辺も描いていけたらと思ってます」

「お見合いに凄いコミュ障が来た話」第2話(08)矢野としたか(@edoya1)


――矢野さんが本作で挑戦した点や、手法を変化させた点があれば教えてください。

「たとえば『女の子がかわいいことを言う、する』シーンで、今までは照れからギャグに逃げることが多かったのですが、この作品ではそれをなるべく正面から向き合うように注意しています」

――本作はTwitterで多くの反響を集めています。作品の今後についての展望を教えてください。

「1話目が1万リツイートされたのには正直たまげました。ただ、2話3話と徐々に減っているので、その理由を分析して回復させることが今の目標になっています。軌道に乗れば仕事にすることもできると思うので、今はこの作品を全力で頑張ろうと思っています」

取材協力:矢野としたか(@edoya1)

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