食欲と睡眠のギブアンドテイクに「脳が幸せ」思わず顔がにやける、隣人同士のあたたかな日常【作者に聞く】

不眠症に悩む男と、万年空腹気味の音大生。隣人同士の二人はひょんなことから、入眠導入のピアノを弾くかわりに食事を作るという、少し奇妙な関係がはじまって――。

食欲と睡眠欲のギブアンドテイク…思わず顔がにやける、不思議であたたかな男女の日常たけみつ(@take_samurai1)

たけみつ (@take_samurai1) さんの創作漫画「不眠男と空腹女」は、食事と睡眠、それぞれの不足を抱えた男女のギブアンドテイクな日常を描いたシリーズ。4月、第1話がTwitterに投稿され、5.6万件を超える「いいね」とともに、「ほっこりする」「なんか泣ける」「脳が幸せになる」とさまざまな反響を集めている。

作者のたけみつさんは、自主制作作品 「恋心は解離する」 などをウェブ上で発表し人気を集めるクリエイター。その新作にあたる「不眠男と空腹女」誕生のきっかけをインタビューした。

壁の穴を通してWIN-WINな関係!?幸せな気持ちになれる日常ラブコメ

一人暮らしの社会人「哲也」はある日、アパートの壁に大きな穴が空いていることに気付く。その壁から顔をのぞかせていたのが、隣室の住人の「琴音」だった。その穴は、琴音が模様替えの際、あやまって作ってしまったものだという。

「不眠男と空腹女」第1話(01)たけみつ(@take_samurai1)


カレンダーを貼って穴を覆う応急処置でひとまずしのぐことにした哲也。これで一段落……と思いきや、夕食時、再び琴音は穴をくぐって哲也の部屋へやってきた。

「不眠男と空腹女」第1話(06)たけみつ(@take_samurai1)


琴音がいかにも金欠で空腹気味と見た哲也は、彼女に食事を振舞うことに。その味に「世界一美味しい…!」と感動した琴音は、不眠症だという哲也に、リラックスできる曲を演奏すると提案する。

「不眠男と空腹女」第1話(09)たけみつ(@take_samurai1)


「そんなんで眠れたら苦労せんわな」と笑いながら床に就いた哲也だったが、予想外に彼女のキーボードの音色はてきめんに効果アリ。再び頼みたいと思った哲也は、やはり食事を期待して壁を越えてきた琴音に、料理のかわりに曲を演奏する交換条件を提示する。こうして不眠男と空腹女の、不思議な共生関係がはじまるのだった――。

「不眠男と空腹女」第1話(14)たけみつ(@take_samurai1)


「結構ふんわり」描きながら作られる二人のキャラクター

生きていくうえで欠かせない食欲と睡眠。そのギブアンドテイクではじまる二人の日々を描く同シリーズには、読者から「この関係一生続けて欲しい」「とてもとても素敵」「続きが気になって仕方ない」と多くの注目が寄せられている。

今回は作者のたけみつさんに、本作の着想や、作品制作で意識している点について話を聞いた。

「不眠男と空腹女」第4話(04)たけみつ(@take_samurai1)


――不眠症の男性と腹ペコな女性という組み合わせの本作は、どんなところから着想を得たのでしょうか?

「最初は、相互依存の男女の話を描こうと思いました。お互いの悩みを、お互いが解決し合うみたいな。まず、貧乏女子大生が空腹で悩んでいるというイメージを思いついて、それなら三大欲求どうし、男側は不眠で悩んでいるのはどうだろうか、と。そこからは、じゃあ不眠の解決にはどうすればいいのか、ということで思いついたのが今の作品という感じです」

――また、哲也と琴音、それぞれのキャラクターが生まれたきっかけを教えてください。

「キャラクターの設定は先に話した通り、お互いの悩みを解決することができるということで決まりました。なので性格も一話時点では結構ふんわりしていて、描きながら徐々に固まっていった感じですね。二人の名前もそんな感じで、話を重ねて名前を呼ぶ回になってから初めて考えました」

――心地よい会話や生活感あるやり取りなど、作品を包む雰囲気に癒やされます。本作で特にこだわっている点を教えてください。

「今回はとにかく気楽に読めるようにとは考えています。あんまり暗い描写とかは入れずに、疲れてるときでもさくっと読めて、それで楽しんでもらえたらうれしいなって思います」

「不眠男と空腹女」第5話(02)たけみつ(@take_samurai1)


――先日完結した「恋心は解離する」も大きな反響を集めましたが、本作で新たに挑戦していることや、制作面での変化はありますか?

「前回は結構重たい話で、最終話まできっちりどういう話にするかを一話時点で決めていました。ただ、今回は明るい雰囲気で、最後どうやって終わらせるかも実はあまり考えてなかったりします。そういった意味でも、これからどういう話になっていくかは自分でもわかりませんが、最後まで今の雰囲気でいけたらなー、とは思います」

――毎話顔がにやけるようなお話に読者からも多くの声が寄せられています。反響への思いを教えてください。

「本当に多くの方に読んでもらえて、描いている側としてはこれ以上ないほどうれしいです。特にいただいたコメントは毎回、創作の大きなエネルギーになっています。今後もまったりのんびり描いていくと思うので、お付き合いいただけると幸いです」

取材協力:たけみつ(@take_samurai1)

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