感動的な結末に「文章の上にある感動なんて程度が知れてる」と一刀両断!!英語教師の言葉が刺さる【著者に聞く】
読み手にも大きな影響を与える物語の結末。しかし、あまりにも作りすぎてしまったら?「
文章の上にある感動なんて程度が知れてる
」「感動は読者の心の中で生まれるもの」そんな名言を残した高校教師とのやりとりを描いたかっぴー(@nora_ito)さんの実録漫画「マンガを描く度に思い出すアドバイス」に5.6万いいねがつく。
厳しくも愛のある添削がいまだに心に残っている

マンガを描く度に思い出すアドバイスがあります。で始まるストーリーは、出版社の編集さんでも美大の教授でもなく、かっぴーさんが高校生の頃の英語教師の言葉。語学研修でカナダに行った出来事を作文にするという課題があった。

作文に自信があったかっぴーさんは、コーディネーターのパトリックの話をもとに原稿を書いた。その原稿の結末を読んで先生は「こっからクセェ…!!!」と言った。

かっぴーさんが付け足した「大人になってパットと再会するんだ。その日までSee you」と書いた文に対して、「アナタ実際はパトリックに会いに行かないでしょ?」と問う。心にもないことを書いたことは全てお見通して、それを指摘したのだ。今回は本作を描いたかっぴーさんにインタビューを行った。

ーー筆者は「おしゃ家ソムリエおしゃ子!」と「左ききのエレン」の作者が同じだと知って驚いています!かっぴーさんのこれまでの著作を教えてください。
「おしゃ家ソムリエおしゃ子!」や「SNSポリス」というギャグ漫画でデビューして、近年はシリアスなお仕事ものばかり描いてます。「左ききのエレン」以外だと、ジャンプスクエア「アントレース」週刊スピリッツ「15分の少女たち」LINE漫画「晴天のデルタブイ」などの原作をやっています。

ーー「マンガを描く度に思い出すアドバイス」は、物語を制作するうえで大事な構成の話、8ページの短編ですが中身がギュッと詰まっていました。本作は実話ベースなのでしょうか?
実話です!漫画の中でも書いた通り、度々思い出す印象的なエピソードだったので、描いてみようと思いました。

ーー本作には、5.6万のいいねが届いていますね。起承転結の構成でやりがちなだけに、ハッとされられた方が多かったと思います。かっぴーさんの中では、どのようなときに生かされていますか?
起承転結は基本なので、それがいけないとは思っていません。ただ、漫画は読者がそれぞれのペースで楽しめる自由な媒体なので、何でもかんでもページをめくると答えがすぐあるというのは、もったいないなと思っています。読者に余韻というか、飲み込む時間を与えたいときに、この方法を使っています。

ーー「おしゃ家ソムリエおしゃ子!」とずいぶんと絵のタッチが変わりましたね。たくさんの作品を手掛けたことで変わってきたのでしょうか?
当時から、頭の中では、今の絵を描いてるつもりでした(笑)!

ーージャンプラで連載していた「左ききのエレン」とは別に、原作版としてnoteで連載しているということですが、原作版を続けるに至った経緯を教えてください。
元々自分の絵でインディーズ連載をしていて、第一部が完結したあとにリメイクした形なので、ジャンプラ版の続きを描いてるつもりはありません。漫画家になるきっかけが「左ききのエレン」だったので、漫画家を続ける限り続けようと思っています。

ーー原作版とジャンプ版の違いはありますか?
ジャンプラ版は、最も美しい展開で終わらせられたので、原作版は最も悪い展開を描いています。
ーーその他、読者のみなさんにメッセージがありましたらお願いいたします。
語学留学にはカナダがおすすめです!
かっぴーさんは商業誌に掲載されなくても、収入を得ながら漫画を描き続ける方法として、noteで連載を開始。月額500円で原作版「左ききのエレン」や、かっぴーさんの作品を読むことができる。
取材協力:かっぴー(@nora_ito)