アフリカで「食べて」と言われたのは燃えかす&灰入りメシ!?大ピンチと思いきや…“世界共通”な真相にほのぼの【作者に聞く】
国や地域で千差万別な食文化。意外な食べ物に巡り合う驚きは海外旅の醍醐味だけれど、時には食べるべきかと悩んでしまう食事に出合うということも……。

世界各地を旅する漫画家の五箇野人(
@gokayajin
)さんがアフリカの農村で出された「燃えかすめし」と、そのほっこりする真相を描いた体験談漫画に「かわいらしい」「なんか素敵」と、Twitter上で3600件を超える「いいね」とともに反響が集まっている。作者の五箇野人さんに、同エピソードのこぼれ話をうかがった。
現地の少女から「食べて」と言われた謎の食器、その真意は“遊びのお誘い”
さまざまな国や地域を巡り、その体験を「海外旅日記」として漫画に描く五箇野人さん。SNSやブログで発表するエピソードをはじめ、単行本「つかれたときに読む海外旅日記」もシリーズ3巻を数える。現在はゲッサン(小学館)にて「海外 縁にまかせて歩くだけ。」を連載する人気作家だ。

今回紹介するのは、5月にTwitter・ブログにて公開された「海外のド郊外農村の異文化めし。」というエピソード。“腹壊しそうなものは断固断る”を鉄則にしている五箇野人さんが、断っていいか悩んでしまう“食事”に出合った体験談だ。

アフリカの郊外にて、現地の青年たちとともに農村を散策していたときのこと。青年の厚意で知り合いの家を見学させてもらえた五箇野人さんは、実際に暮らしている人のいる異文化の生活感を堪能していた。

敷地内の焚き火がキッチンだというその家で、ここに暮らす女の子がココナッツの皮を使った器を持ってきた。すると女の子は、器に燃えかすや灰を入れ「ハイ食べて」と五箇野人さんたちに食器を差し出してきた。
鉄則通りなら断るところ、「文化的に断ったら失礼なやつ?」と判断に窮した五箇野人さん。が、隣の青年たちは器を受け取り、「Ahhh!おいしー!!」と笑顔を見せる。

彼らがしていたのは器の中身を食べるジェスチャー。その様子にご満悦の少女を見て、五箇野人さんはようやくこれが「おままごと」のお誘いだったことに気付くのだった。
「逆カルチャーショック」「もしや世界共通」海外で出合う“同じこと”への驚き

「異国の果てでもやることは同じでイイなぁ」とエピソードを結んだ五箇野人さん。ブログには実際の民家の様子も写真で掲載されており、読者からも「娘さんもかわいいし、フォローしてくれる青年達も優しい」「おままごとはもしや世界共通なのでしょうか」「異文化と思いきや同じ文化だったってのはなんか素敵」とその様子にほのぼのしたというコメントが多く寄せられた。
五箇野人さんはこの体験について「中心地からはかなり離れた農村で生活様式も全く違ったので、『こういう文化がある可能性はある』と思って驚いていました」と話し、「あらためて振り返ると世界各地で人形遊びやボール遊びはよく見てきましたが、ままごとのシーンに出会うことはほぼなかったです」と振り返る。
また、今回のように異なる文化の中に自国の文化と重なるものを見つけた瞬間については「それはそれで自分の中で『新しい発見』になるので楽しんでいます。感覚的には、異文化に触れるとテンションが上がりますが、同じ文化に触れるときはほっこりというか何だかうれしい気持ちになるのでまた違った刺激をもらっています」と教えてくれた。
取材協力:五箇野人(@gokayajin)