ADHDの特性「短期記憶」で漢字が覚えられない!!人の1000倍努力し、100点を取った日の涙は忘れない【作者インタビュー】

ADHDの診断を受けたラム*カナさんの息子さん。彼が苦手なことは「漢字」を覚えること。ドリルからノートへ書き写すだけで精一杯だった長男キョウタくんが、コツを掴み、少しずつ形を覚え、100点をとることができたラム*カナ(@ahodanshi_haha)さんの「漢字が大の苦手なADHD息子が100点を取るまでの物語」を紹介したい。
一生懸命やっているのに覚えられない。「できない」ことがストレスになり、取り組み方を改善した結果

ADHDと診断されたキョウタくんは、記憶力が弱い。小学生になって大きくつまづいたのが、漢字を覚えることだった。漢字ドリルをノートに書き写すという宿題は、書き写すまでの間にどんな漢字だったか忘れてしまうことも多かった。もう一度ドリルを見ても同じ漢字を探し出すのに手間取り、本人のイライラも募ったという。

さらに、キョウタくんの学校では漢字が書けるまで再テストが続き、100点を取るのが難しいキョウタくんには大きなストレスになっていた。そんな苦手意識の強かった漢字だが、取り組み方を変えて少しずつ漢字を覚えられるようになったキョウタくん。今回はどのような学習方法で取り組んだのか、お子様の様子などを含めて作者のラム*カナさんに話を伺った。

ーーまずは、初めての方に簡単な自己紹介と育児日記を描き始めたきっかけを教えてください。
ライブドアブログで絵日記ブログを描いているラム*カナと申します。9年前、長男がADHDの診断を受け、ADHDっ子のおもしろさや、わんぱく兄弟の珍行動を漫画で残したいと思い始めました。

ーーラム*カナさんの育児日記では、2人の息子さんが登場します。お二人それぞれの性格を教えてください。
長男は、ADHDの特性の1つである“不注意”をギュッと詰め込んだ子で、とにかく忘れん坊(物も記憶力も)で、いつもズッコケさせてくれます。興味の幅が激セマで、ゲームも1つだけを何年もやっていたり、興味のない分野の教科はとにかく苦手ですが、好きな教科はとても得意です。いつも自分にできることはないか?とアンテナを張っている子で、家でも学校でも、困った人を見つけるとすぐ駆けつけて手伝ってくれる優しい子です。

2歳下の次男は、いわゆる定型児で(あまりこの表現は好きではないのですが)、自分の管理がしっかりとできる子です。ADHDの長男と私はいつも感動させてもらっています。興味の幅も広いので水族館や博物館などを心行くまで楽しんだり、いろいろな本を読んで、夢中になったりしています。家族思いの優しい子です。

ーー漢字を覚えられないという特性をお持ちで、悩んでいる方もいると思います。漢字を覚えるためにどのようなことをやりましたか?
長男は書字に対しても大きな苦手意識を持っていたので、漢字練習はマイナスにしかならなかったのです。低学年のころは、まず漢字練習を免除してもらい、長男に合った勉強法に変えさせてもらいました。

【こちらがラム*カナさんが実際に行った勉強法】
(右利きなので)左側に大きく私が見本を書きます。
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事前に「このあと見ないで書けるか確認するよ」と伝えたうえで、見本を見ながら1回だけ丁寧に書かせます。
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短期記憶に弱さがあるので、なるべくそのあとすぐに見ないで書けるか確認します。このとき、時間があまり経ってないので、忘れる前に書けることが多く、書けたことが大きな成功体験になります。書けなかった漢字は、同じ方法を繰り返します。(※参照記事:
ADHD長男の特性に合わせた漢字の勉強法
。 :カラフル牧場 Powered by ライブドアブログ)

ーー100点を取れたあとからも漢字を覚えられるようになりましたか?
いえ、漢字が苦手なのは変わっていません(笑)。でも、小学校6年間で培った漢字の基礎があるので、覚えるためにかかる苦労は減っているのは感じます。
テストがあるため、「漢字が覚えられない」というのは本人にも辛いこと。ラム*カナさんの絵日記ブログでは、長男くんの「漢字の勉強法」のほかにも、次男くんの「『学校こわい』教室に入れるようになるまで」など、親子いっしょに向き合う姿を赤裸々に描く。「Twitterでは一部の漫画しかアップしていないので、ぜひブログにも遊びに来てくださるとうれしいです」とラム*カナさん。今は中学生となったキョウタくんの試験前対策など、日々の奮闘記を読むことができる。
取材協力:ラム*カナ(@ahodanshi_haha)