アパート経営は簡単じゃない!?5000万円も借金したのに、入居者ゼロ?同人作家限定の女性向け賃貸【作者インタビュー】
社会人オタクA子は、5000万円の借金をしてアパートを建てた。同人活動をする女子たちが住む、「同人アパート」を作ったのだ。しかし、入居者ゼロのマイナススタート。大家としてアパートの住人を埋めるために奮闘する、賀来(@VillaFana_abcde)さんの描いた「同人女アパート建ててみた」を紹介する。
同人誌として発表しようと描いた第1話がきっかけで、念願の書籍化!

社会人とした働きながら、同人作家としても活動するA子。「後悔したくない」という一念で、同人アパートを運営することに。銀行員でしっかり者のA子だが、凝りに凝ったアパートの入居者はゼロ。入居者を集めるために、あの手この手と奮闘する。今回はSNSで人気を集めたところから書籍に至るまでの経緯やこだわりを作者の賀来さんにインタビューした。

ーーTwitterで「同人作品ではなく、商業作品になりました」とコメントを見ましたが、本作は元々同人誌からスタートしたのでしょうか?
もともとは、同人誌として発表しようと思い、描いたものです。同人女アパートを本当に建てるオタクの女の子を描いたらおもしろいかも、と思ったのがきっかけです。

ーー今回、書籍化するまでの経緯を教えてください。
Twitterに第1話をアップしたところ、複数の出版社さんからご連絡をいただきました。その後、ご縁があって秋田書店さんで連載させていただくことになり、話数を重ねて書籍に発売となりました。出版社さんから連絡が来たときは、かなりびっくりしました。

ーー借金5000万円、入居者がなければ赤字という前途多難なスタート。本作の見どころを教えてください。
いろんなタイプのオタクの女の子が出てくるのが見どころです。性格や年齢、〆切を守るか否かは違っても、みんな自分の「好き」を大切にしているキャラです。また、A子が自分の大家業の難しさに直面しながらやりたいことを叶えていくところでしょうか。人生では「やって後悔すること」よりも「やらなくて後悔すること」が多いのかなと思います。作中ではA子が「同人女アパートを建てる」という自分の夢を実現するために行動を起こしていますので、大変でもやりたいことをはじめるのは素敵なことだと、読んだ方が感じてくれたらうれしいです。

ーー「ここに住みたい」というコメントもたくさん届いていますね。間取りや設備など、こだわったところを教えてください。
第1話にもありますが、シアタールームと、原稿部屋はつくりたい設備でした。今後漫画内で描けるチャンスがあるかわかりませんが、各部屋でキッチンのグレードやクロス(壁紙)が違う設定です。主人公・A子の部屋は、良いシステムキッチンですが、1口のIHコンロ+小さい流し台のようなあまり自炊しない人用のお部屋もあります。

ーー第2巻を待ち望む声もありますが、これから入居者同士の人間模様が描かれていくのでしょうか?
ありがとうございます。2巻は、友達がジャンル変えした、「おこめさんの妹」の続編も収録されています。ジャンル替えで友達関係が変わるのは、わりとオタクあるあるだと担当さんが言っていました。また、小さいころからずっと特撮ファンの社会人女性も登場します。このキャラは、まじめな会社員というか苦労性な感じなのですが、同人女アパートで正反対な人に出会います。

ーー読者の皆様にメッセージやお知らせがあればお願いします。
作品を読んでいただいて、ありがとうございます!みなさんの感想が創作の糧なので、ご感想などいただけるとうれしいです。

同人作家だけが集まるアパート。同人誌をつくっているオタクには夢のような場所だが、実際は家賃やアパートを経営していくのは簡単ではなさそう。さまざまな人間模様も楽しみな本作は、
ヤンチャンWEB
で、最新話まで話売りで読むことができる。
■取材協力:賀来(@VillaFana_abcde)