「いつか嫌われる」「本当に私のことが好きなの?」愛されるほど自信がなくなる…自分らしく振る舞うために起きた出来事とは!?【作者インタビュー】

「いつか嫌われる」「好きになってもらえるような人間ではない」と自分を卑下してしまうカップルを描いた、かんさび(@kansabi_kk)さんの「香水瓶の話」に1.2万いいねがついている(2023年7月19日時点)。かんさびさんは伝奇、民話、伝承、民俗学、逸話、妖怪、文学、怪談、付喪神などの怖くない(たまにちょっと怖い)不思議な創作話「物書きの不思議な話」を描く。短編で読みやすく、枕のお供におすすめしたい。


愛されれば愛されるほど自信をなくし、卑下してしまう彼女

香水瓶の話(1)画像提供:かんさび(@kansabi_kk)

ある日、店に1組のカップルが訪れた。店内の香水瓶をとても気に入って購入したいという。しかし、瓶を包もうとすると「怖い、怖い」とフタについた妖精のモチーフから囁き声がする。このまま売るわけにはいかないと、店主は香水瓶をいったん預かることにした。するとその夜、夢をみた。

香水瓶の話(2)画像提供:かんさび(@kansabi_kk)

お告げのような不思議な夢では、愛されれば愛されるほど自信がなくなり、不安を募らせていく彼女の姿が見える。香水瓶の妖精が、そんな彼女のために不安要素を取り除いてくれる、ちょっと不思議な話。今回は、香水瓶の話を描いたきっかけなどの制作秘話を、作者のかんさびさんに聞いた。

香水瓶の話(3)画像提供:かんさび(@kansabi_kk)

ーーかんさびさんは、物語を描くときに「まず道具や風習を調べてからお話を考える」と伺いましたが、今回、香水瓶を題材にした理由を教えてください。

今回は、偶然訪れた博物館でアンティークの香水瓶を見て、描きたいなと思いました。特に香水瓶にまつわる不思議な話や言い伝えなどはなかったのですが、香りには不思議な力があるとされているので、妖精が宿るというお話にしたかったんです。

香水瓶の話(4)画像提供:かんさび(@kansabi_kk)

ーー愛されると余計に不安になり、疑心暗鬼になり、前に進めなくなるというのは、とても共感できます。本作を描くきっかけはありますか?

「自分の経験」というわけでもないんですが、お話を考える際には皆さんがよく抱く心理的な不安をストーリー考案に入れることが多いです。 きっかけも特にないのですが、香水瓶から想像する男女の物語をイメージして、そこに生まれるであろう問題を考えてみました。

香水瓶の話(5)画像提供:かんさび(@kansabi_kk)

ーー奇妙なお話ですが、ラストが優しいです。製作でこだわっていることがあれば、教えてください。

私は怪談や妖怪の話が昔から好きなのですが、悲しく怖い、辛い怪談や不思議な話に少々疲れていまして。 不思議な話や一見怖い話でも、実は温かい側面や理由がある、救いがある、というような考えが好きです。また、心理学にも興味があるので、人間が抱えがちな不安を物語で解消できないかと思い、優しいラストを心がけるようにしています。 というより、私が悲しい結末をあまり書きたくないので、それぞれの幸せな結末というラストに自然になっていくという感じです。



取材協力:かんさび(@kansabi_kk)

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