頑張りすぎたOLが上司に「仕事辞めたい」と相談するも「もう少し頑張ろう」退職できないブラック企業の斬新な退職方法とは?【作者にインタビュー】
「うえっ…もう22時だ。スーパーがまた閉まってる」。長時間残業を強いられる、いわゆるブラック企業に就職した八田。上司に相談しても引き止められるばかりで、退職の意向は無視される。仕事のもやもやを描いた、羽流木はない(@warugi871)さんの「お仕事をがんばる女性の話」が、Twitterで話題だ。
出だしの「わたしはこの仕事が好きだ」というセリフのロジックが絶妙

22時を過ぎた社内。ほとんど社員のいないフロアで、プレゼン資料を作成するために残業していた八田。連日のオーバーワークで疲労が蓄積していた。

そこにまだ残っていた上司が励ましにくる。八田は、「この前の話考えてくれましたか?」と言う。退職の意向を相談したのだ。しかし、「できたら考え直してくれないか」「もう少しだけ俺と頑張ってみてくれないか」と言われる。

簡単に退職できない職場。そこで八田が考えた退職方法が斬新だった。今回は、作者の羽流木はないさんに会社を退職する方法を思いついたきっかけや読者が気になっているお化けの正体についてインタビューした。
ブラック企業を退職する方法に驚きの声!

――本作に5.3万いいねがついています。見事バズったと思いますが、ご自身ではどこがバズりポイントだったと推測しますか?
私自身が最初の伏線が最後にひっくり返されるのが好きなので、そういう驚きがネットで軽く読むにはよかったのかもしれません。

――ブラック企業に勤めている方の退職の方法としては、すごくいいなと思いました。このアイデアを思いついたきっかけを教えてください。
仕事を辞めたかったとき、言い出すのが気まずくて思いつきました。

――出だしの伏線の張り方が絶妙で「見事、騙された~」という方も多いですね。会社を退職するために、お化けを雇ったということですよね?
はい。雇いました!地縛霊はその場から動けないと聞いてるので、ある程度自由がある結構強い怨霊のイメージです。

――同じように「この人に依頼したい」という方が続出していました。例えば、嫌な上司を引き摺り込むという方法もありなんですか?
上司にもいろいろな事情があるかも…と私個人は考えてしまうタイプですが、お化けとの契約についてはそもそも倫理観の外のことなので、選択肢としてはありだと思います!

――雇う方法にたくさんのコメントがありました。そのあたりの解釈について、何か話せることはありますか?
自分の幸せのためにどこまで他のものを犠牲にできるか?という問いは一見邪悪ですが、食事などを含めると我々にとって本当に身近でありふれた問いだと思うので、自分だったら「誰を」あるいは「何を」選ぶか、ぜひ自由に想像してもらえれば幸いです。

――その他、どのような漫画を描いていますか?
あとちょっとだけ生きやすくなったらいいなあ〜、という願いのような漫画ばかり描いてます。コミックウォーカーでは無料で「
普通と化け物
」が読めます。コミックスでは「百合の園にも蟲はいる」が発売されています。よければ、よろしくお願いします!
退職したいのにうまく辞められないという社会人あるある。漫画らしい斬新な退職方法に「これはいい!」と共感が集まっている。
取材協力:羽流木はない(@warugi871)