曰く付きの心霊スポットへ!名前が記されたアイスの棒が並ぶ森は、ペットの墓場?よく見ると…人気ツイキャス怪談がついにコミカライズ【作者に聞く】
夏休みのおすすめホラー漫画。今回は、著作権フリー&無料配信のツイキャス「
禍話~第五夜~
」で語られた「
アイスの森
」を紹介する。本作は、禍話で語られた怪談話を再構成し、漫画化したものである。
ツイキャス「禍話」で語られた人気の怪談話がコミカライズ

「アイスの森」を含む、ツイキャスで語られた禍話が「禍話 SNSで伝播する令和怪談」としてコミカライズ化。400以上語られた怪談のなかから、禍話ファンのなかでも人気の高い「赤い女のビラ」「で、どうする?」など全11話が収録されており、2023年9月4日(月)に発売となる。禍話ファンは、ぜひ読んでみたい一冊だ。今回は「赤い女のビラ」の試し読みも収録する。
噂を検証?車で片道5時間かかる山奥の「アイスの森」へ!

禁句と言われている、「アイスの森」。大学で語り継がれる謎の心霊スポットだ。ある日、サークルの先輩が「卒業までに一度行ってみたい」と言い出した。

アイスの森は、車で片道5時間かかる山奥にある私有地。入り口には金網が張られ、「立ち入り禁止」「防犯カメラ設置中」などの立て看板が設置されている。

しかし、金網は壊されたまま、防犯カメラも本当に作動しているかわからない。山奥だけあって街頭もなく、車のライトを消すと真っ暗闇。懐中電灯のわずかな明かりを手に、彼らは森の中へ進んだ。

山奥を歩くと、木々のザワメキや風の音で時折どきりとするものの妙な気配はない。「昔話か噂話だったんだ」と戻ろうとしたとき、足先に何かが当たった。よく見ると、それは木の棒。懐中電灯を照らすと、当たりくじがついているようなアイスの棒だった。

棒には「たまちゃん」と書かれている。あたりを照らすと他にもアイスの棒があり、「ぴーちゃん」「ポチ」「みーこ」とまるで、ペットにつけるような名前が並ぶ。「ここ実はペットの墓場だったのか?」と、彼らは結論づける。それがねじ曲がって心霊スポットと呼ばれるようになったのかもしれない。

その先の棒を見てみると、「からす」「すずめ」「かめ」「インコ」など動物の名前が書かれている。動物の種類が書かれていることから、「ペットの墓場説」は、どうも違うようだ。

さらに3メートル先に行くと、再びアイスの棒が…。棒には「どらいぶ」「さんさいとり」と書かれており、その先にもアイスの棒が等間隔に刺さっている。書かれた意味を理解すると、彼らは「ペットの墓場なんかじゃない!!」と、森を引き返そうとしたがーー。
怖い話を聞きたい人は、毎週土曜日23時から配信中の「禍話」へ
禍話(@magabanasi)は、毎週土曜日23時から配信中!まだ、聞いたことがない人は、この夏ぜひ足を運んでみよう。作者の大家さんは、以前から禍話さんのファンで「リモートワークや原稿の作業中によく聴かせていただいていました。禍話さんはファンの方によるリライトやファンアートなどの投稿が盛んで、私自身も漫画を描くので、せっかくなら参加したい」と、制作のきっかけまでを語る。
「アイスの森は尺自体は短いながらも強烈なインパクトがあり、大好きなお話なので描かせていただきました。語りのかぁなっきさんや禍話ファンの皆さんに読んでいただけてうれしかったです」と、大家さん。原作を漫画化すると、よりイメージが掴みやすくなるため、怖さの落とし所が難しくなるが、本作はラストを描きすぎず読者の想像力に委ねたことで、より怖さが増している。
取材協力:大家(@ksyjkysk)