野良猫に向かって「ビニール袋ならよかったのに」!?逆転の発想に13万いいね、爆笑呼ぶ4コマに注目【作者に訊く】
意外と多い、「道に落ちたレジ袋を猫と見間違える」という体験。そんな悔しくも笑える構図を逆転させたら…?

のんびりと家で過ごすときはもちろん、移動中の隙間時間にもクスっと楽しめる4コマ漫画は夏休みにぴったり。今回は、SNS「X」(旧:Twitter)上でオリジナルの4コマ漫画を発表しているきゃた(
@kyata_ti666
)さんの作品の中から、13万件の「いいね」を集めた「屈辱」や「死神視点」の紹介とともに、作品の魅力の裏側を取材した。
「成功と失敗」、「猫とビニール」、価値の逆転が予想外の爆笑オチに
逆転の発想が冴える作品として大きな反響を呼んだのが、きゃたさんが7月11日に投稿した4コマ漫画「屈辱」。

コンビニでの買い物時、ビニール袋を断った女性。けれど荷物の多さに、「やっぱり貰っとけばよかった…」と後悔しながら夜の道を歩いていた。
すると、路上に転がる白い影を見かけ、「あっふくろ!!」と喜びかける女性。

だが、その影の正体はゴロゴロしている白猫。正体に気付き「ビニール袋ならよかったのに」とこぼす女性に、猫は何を言われたのか信じられないような表情を向け「ビニール袋ならよかったのに!?」と絶句するのだった……。
路上のビニール袋を猫に見間違えたという“あるある”ネタの逆転が、愛でられるはずの猫にとって強烈な屈辱になってしまうというアイデアが光る一作。「逆バージョン初めて見た」「仮にビニール袋だったとして使うのか」「全コマつっこみどころ」とツッコミと爆笑を誘った作品だ。
また、2021年10月に投稿され反響を呼んだ「死神視点」は、手術室の前で結果を待つというよくあるシチュエーションから始まる4コマ作品。

手術中のランプが消え、扉から現れた医師。「全力を尽くしました」と切り出した医師は、手術は成功し命を取り留めたことを伝える。

だが、それを聞くや否や、膝から崩れ落ち医師にすがるように泣き始める者がいた。「うそだ…どうして…」と取り乱すのは、黒装束にどくろの顔、かたわらには巨大な鎌を携えた死神そのもの。死神の視点に立てば、九死に一生の手術が「成功」してしまうのは取り返しのつかない「失敗」になってしまうのだった……。
同作には11万件超のいいねという注目が集まり、読者からも「出待ちしてんじゃない」「仕事だからねぇ」「ノルマだったんだろうな」とさまざまな感想が寄せられた。
プロの漫画家を目指しオリジナル4コマをメインに作品制作を続けるきゃたさん。SNS上で公開される他の作家の漫画に刺激を受け、「自分の考えたネタはどのくらいの実力なのだろう」と確かめるべく描き始めたという。
その際、4コマ漫画を選んだのは、「リスペクトしている漫画家さんたちが4コマ漫画を描いているので、私もこの人たちみたいになりたい」という思いからだったそう。
また、ネタの実力を確かめたいという思いが裏付けるように、きゃたさんの作品は逆転の発想や勢いあるオチが光るのが大きな魅力の一つ。
こうしたネタを生み出す秘訣を聞くと、「常識を壊さないとおもしろいと感じてもらえないので、たとえば修道女がギャンブルしたりと、とち狂った展開にするよう考えています」と教えてくれた。
取材協力:きゃた(@kyata_ti666)