努力は結果を出してこそ「価値がある」できない子供を見放す父!?無価値になりたくない彼女は、期待に応えたくて…【作者インタビュー】

桜子は、何度練習してもピアノがうまく弾けるようにならない。その結果、父親に見放された。そんな過去を持つ主人公が期待を裏切らないように努力し続ける姿を描いた、長田雛形(@gatagatadosukoi)さんの「彼は私に期待しすぎている」がpixivで7万を超えるいいねを集め、注目されている。
いつもパーフェクトの女性。期待を裏切らないようにと、努力し続けた結果?

幸太郎の幼なじみであり、許嫁(いいなずけ)でもある一条桜子。彼女は、常に成績が首位。「すごいなぁ」と褒める幸太郎。しかし、彼女は類稀なる才能の持ち主ではない。誰よりも努力をし続ける人だった。幸太郎に嫌われないように。

彼女は子供の頃、ピアノがうまく弾けず父親に見放された過去がある。結果を出してこその努力だ、と言う厳格な父親に育てられた桜子。許嫁である幸太郎の期待に応えたくて、寝る間も惜しんでさまざまなことを頑張り続けるが――。

――まずは、長田さんが漫画を描き始めたきっかけを教えてください。
当時、私の時給が最低賃金で生活がかなり苦しかったのですが…お給料を上げるための努力(資格を取る、転職活動をする)などがどうしてもできず、唯一このためなら時間や苦労を惜しまず努力できると思ったのが漫画だったからです。

――相手にがっかりされたくないという思いから、いろんなことを頑張る女の子。プレッシャーに負けない女の子の強い気持ちが「好き」の度合いを表しているようで、読んでいてとてもおもしろかったです。本作を描いたきっかけは何でしょうか?
お嬢様とお坊ちゃまというキャラクターと許嫁という設定が、幼少の頃からとても好きだったので描きました。今思えば、私自体が当時さまざまなプレッシャーと戦いながら漫画を描いていたので、そのあたりも滲み出てしまったようにも思えます…。

――導入部分の、父親の期待と失望された悲しみがすごく重要な伏線になっていました。プロットを立てる段階で意識したことはありますか?
こちらは当時お世話になっていた編集者の方と賞を目指して描いた作品なのですが、その編集者の方に「人の心は簡単には動かない」と教わりました。キャラクターの心もそうなのですが、読者の方の心も物語に納得できないと簡単には動きません。ですので、主人公の過去などをしっかり描くことで「なぜ、今主人公が苦しいのか。伝わるように、わかってもらえるように」を意識して制作しました。

――pixivでは7万を超えるいいねがついていて、#式場を立てよう#御祝儀は?など祝福タグもつきました。感想はいかがですか?
こんなに読者の方から反応を頂けたのは初めてなので、本当にありがたく思っております。お祝いタグも楽しくうれしいのですが、とくに主人公のお父さんに対する厳しいご意見が非常に多く、私は嫌われるキャラクターを意図して描いたのは今回が初めてだったのですが、嫌われるキャラクターを登場させるときは、ちゃんと嫌われる覚悟がいるのだな…と、とても勉強になりました(笑)。これからも、ガンガンコメントやタグをつけて頂けると幸いです。

――今後、新作漫画の予定はありますか?
現在、読み切りを誠意制作中です!また完成したら、ぜひ読んで頂けると大変うれしく思います。

――読者のみなさまにメッセージをお願いします。
この度は、私の漫画を読んで頂き、誠にありがとうございます。読んで頂けるだけでもうれしいのですが、そこから更にいろいろ思って頂けたり、感情を動かして頂けると、本当に描いてよかったなーと思います。新作を描いたらpixivに公開しますので、読んで頂けると大変うれしいです。そして何かしら思われたら、またコメントなどで教えてください!
彼の期待に応えたい一心で、勉強も編み物も読書も料理も努力する桜子。しかし、何回練習しても全然うまくできない壁にぶち当たってしまい、疲労で倒れてしまう。そんな彼女のもとに幸太郎が駆けつける。期待に応えられなくて見放されることを恐れていた桜子だが、幸太郎の思いを知ると、彼女は自分らしく生きたいと思えるようになった。
取材協力:長田雛形(@gatagatadosukoi)