全身ボロボロの漫画家、“パンチ強すぎ”な装備で飛び込み営業と攻防戦!?「元気でる」「天才だ」と全編爆笑の体験談【作者に訊く】
長時間原稿に向き合いペンを動かす漫画家にとって、目の疲れや関節の痛みは職業病のようなもの。はじめての連載でそうした疲弊に直面した漫画家が、ボロボロの体を支えるためさまざまなグッズを導入したはいいものの……。

2023年8月にむめい(
@mumei10101
)さんがX(旧:Twitter)に投稿したエッセイ漫画「知らん人が家に来た!!!」に、3万件を超えるいいねと多くの笑い声が寄せられている。作者のむめいさんに、反響についての思いや当時の詳しい状況について話を聞いた。
パンチ強すぎな姿の漫画家 VS 飛び込み営業!?突如始まる頂上決戦に爆笑
ダ・ヴィンチWebで「カッラフルなエッッブリデイ」を連載するむめいさん。今回話題を呼んだのは、自身のとって初めての連載の中で起きた体験をユーモラスに描いた作品だ。

漫画制作の中で、手首、首、目とさまざまなところに痛みや疲労を抱えるようになったむめいさん。「このままじゃいかん!!」と、ブルーライトカットメガネや関節のサポーターといった補助器具を次々購入することに。

届いたサポーターをはじめ、執筆中邪魔になる髪をヘッドバンドで上げ、猫背防止にコルセットを巻くと「ええやん」と快適さを実感したむめいさん。そうしてフル装備で漫画を描く日々がはじまったものの、そこには一つの問題が潜んでいた。
それは、自身も認める「なかなかパンチのある」見た目。漫画を描いているときはいいものの、宅配便の配達員などの来客があると相手が決まってびっくりしてしまうのだ。

そんなある日、インターネットに関するアンケートを求める業者の男性が来訪。「なんか怖いから断ろう」と考えたむめいさんだが、業者はむめいさんのフル装備にも動じない。男性に傷つかずに帰ってもらおうと考えたむめいさんは、話を打ち切るのではなく、「ファンタジー系の変人」を装うことで男性に帰ってもらおうと考え――、という内容だ。
爆笑の影にある優しさも伝わる体験談に反響
押しの強い姿のむめいさんと、押しの強い業者のぶつかり合いが笑える体験談。まさかな撃退法が描かれる結末を含め、読者からは「展開予想できなすぎ」「声出して笑ってしまった」「頂上対決って感じ」と笑いの声や、「めっちゃ優しい人」と、業者に対するむめいさんの姿勢に感銘を受けた反応も寄せられた。
ウォーカープラスではこうした反響を受け、むめいさんに漫画に描かれた当時の裏話を訊いた。

――長時間座ったり目を酷使したりと、漫画家ゆえの辛さからはじまるエピソードです。当時は相当に厳しい状況だったのでしょうか?
「漫画を描くのが遅いので時間に追われていました。特に手は、腱鞘炎のような症状で痛かったです。集中すると姿勢も悪くなるし、筆圧も強くなってしまって気付いたらいろんな所がバキバキでした」
――フル装備のむめいさんを見た、家を訪れる人達の反応がリアルです。そうしたリアクションは気にならなかったのでしょうか?
「いつもすっぴん、ボサボサ頭で応対していたのであまり気にしなかったです」
――業者との方との攻防戦が異様な雰囲気で笑えます。このときのやり取りを振り返っての思いを教えてください。
「訪問する仕事は精神的にも体力的にもすごく大変な仕事だと思うので、それを考えると、できるだけ丁寧に応対しようと思いました。冷たくあしらうことはできなかったです」
――SNS上ではユーザーからたくさんの笑いの声が寄せられています。印象に残った感想や、読者へのメッセージをお聞かせください。
「ファンタジー系の変態を演じたことにどんなコメントがくるかドキドキでしたが、みなさんすごい優しいコメントばかりで安心しました。2冊目の書籍『へたくそなのに泣くほど笑える! カッラフルなエッッブリデイ☆2ndステージ』が出ているので、そちらも楽しんでいただけたらうれしいです」
取材協力:むめい(@mumei10101)