失敗で落ち込む我が子が、一緒に「良かった探し」でニコニコ笑顔に!親子の素敵なやり取りに「こちらまで幸せに」と反響【作者に訊く】
幼稚園で叱られたことや、うまくできなかったことを振り返って落ち込む我が子。そんなとき、母が選んだ寄り添い方に「素敵なやりとり」「こちらまで幸せになります」と反響が集まっている。

「今日のぽよるし(1) 君に恋して きみが生まれて」
や「だれかのやさしさに、今日も救われてます るしこの子育て日記2」として単行本が刊行されるなど、家族の日々を描くコミックエッセイがSNSで人気を集める漫画家のるしこ(
@39baby_com
)さん。るしこさんがX(旧:Twitter)に8月投稿したエッセイ漫画「1日の終わりに『良かった探し』」には、1.8万件を超える「いいね」が寄せられた。ウォーカープラスでは作者のるしこさんに、同エピソードのこぼれ話を取材した。
叱られや失敗で凹む息子と一緒に、1日の「良かった探し」
「1日の終わりに『良かった探し』」は、自分の中の失敗を思い出し凹む幼稚園児の息子と、それを前向きに受け止める母のやり取りが描かれたエッセイ。

布団の中で、「きょうはいっぱいダメだった」と漏らするしこさんの息子。幼稚園の先生の話を聞く時間なのにおしゃべりに夢中で叱られた、かけっこで負けてしまったなど、一つひとつはほんの些細な失敗。けれど、子供にとっては大きく落ち込む出来事だ。

特に叱られたことには自分が悪かったという思いや理由がちゃんとわかっていて、それでも割り切れない表情を浮かべる息子さん。その様子を見たるしこさんは、「良かった探し」をしようと提案する。
「まず朝起きてえらいでしょ」「元気に幼稚園に行けたから花丸ジュニアね」と、一日を振り返ってよかったことを指折り数えるるしこさん。そのうち、「お弁当はどうだっけ?」「ぜんぶたべた!」と、息子さんの顔にも笑顔が戻っていく。
いつしかニコニコになった息子を眺めながら、るしこさんは「1日の終わりに君がニコニコしているとママも嬉しい」と思う――、というエピソードだ。
自分の心を落ち着かせる方法を我が子にも。成長と変化を見つめる眼差し
失敗はどうしても引きずってしまうもの。そんなとき、よかったことに目を向けて気持ちを前向きにするアプローチと、親子の温かい絆を感じさせるエッセイに、読者からは「素敵すぎる」「うちの子供たちにも寝る前にやってみようと思います」「大人でもなかなかできない…」とさまざまなコメントが寄せられた。
そんな出来事の背景を、漫画に描いたるしこさんに話を訊いた。

――前向きな気持ちになれる「良かった探し」のやりとりが素敵なエピソードです。息子さんが「ダメだった」と落ち込むことはよくあるのでしょうか?
「息子は普段は明るくやんちゃなお調子者なのですが、少し繊細な面があり、寝る前は特に嫌だったことを思い出すみたいです。幼稚園に行き始めてからは、園での様子を私は知らないので、教えてくれるのはありがたいです」
――息子さんの話の根っこにある感情や動機を見つめるるしこさんの姿勢も印象的です。このときはなぜ「良かった探し」をしようと考えたのですか?
「以前からお友達と喧嘩したり競争で負けたりして悔しい、ということはよく報告してくれていました。その都度、フォローしたりアドバイスしたりはしていましたが、本人がそこまで気にしていない様子ではありました。ただ、今回は明らかに落ち込んでいたので、であれば先生に注意されたことが原因かなと推測し、本人も原因を理解していたので、フォローよりは気持ちを切り替えられる方法を選びました」
――この方法をるしこさんが見つけたきっかけがあれば教えてください。
「『良かった探し』は落ち込んだときに自分が自分にやっていたことなんです。寝る前に、どんな些細なことでも褒めて頑張りを認める、という心を落ち着かせるやり方なのですが、息子にも効果があってよかったです」
――また、自分の失敗と向き合う息子さんの姿に成長を感じます。このエピソードを振り返って、るしこさんが感じたことがあれば教えてください。
「年中に学年が一つ上がって先生の対応も『言ってきかせればわかる相手』へのものにシフトしていってるのかな、と頼もしい思いです。そして、それを落ち込みつつちゃんと受け止められている息子にも成長を感じた出来事でした」
――作品には読者からさまざまなコメントが寄せられています。反響への思いを教えてください。
「私自身がよく落ち込んだり考え過ぎて眠れなくなるタイプで、よく『良かった探し』をやっていました。“起きたかった時間に起きられなかった、でも睡眠時間は確保できた”というように、大抵の出来事は見方を変えれば『良かった』ことだと思っています。そんなふうに考えると、良かったことは1日のうちにいっぱいあります。夜寝る前の『良かった探し』、お子さんにはもちろん、ご自身やパートナーとも是非やってみてください」
取材協力:るしこ(@39baby_com)