祖母が作りたいアンドロイドが厨二すぎ!?魔界第二王子がワケあって人間界へ連れてこられた設定に、担当者が切り出したのは…【作者に聞く】

近い未来、フィクションじゃなくなるかもしれない世界を描いた、村崎ユカリ(@murasakiyukarir)さんの「理想のアンドロイドを作る話」がX(旧Twitter)で5万いいねを超え、話題を集めている(2023年9月13日時点)。家に一台、自分好みにカスタムしたアンドロイドを買える日がきたら?本作を読めば、アンドロイドのある未来が楽しみでしかなくなる。
祖母が作りたいアンドロイドには「翼」?ワケあって人間界に連れてこられた、魔界第二王子って何?

時は2083年。今や1人1体アンドロイドを所有するのが当たり前の世界。高齢になった祖母に、娘や孫が「そろそろアンドロイドを買ったら?」と勧めてくる。アンドロイドがいれば、力仕事も買い物も全部任せられる。容姿も自分の好みにカスタムできるので、そばにいて「楽しいわよ」とアンドロイドを持つ友人は話す。

そろそろアンドロイドを持ってみてもいいかも…と、祖母は、自分の理想を詰め込んだアンドロイドを描き、発注することにした。祖母が描いた理想のアンドロイドは、「ギルディア=ロッド=シン=ダークスター」という、どこかのゲームの世界にいそうな名称。

彼は、魔界の第二王子でワケあって人間界に捕虜として連れてこられた。王子なので気位が高く、基本的にこちらの命令は従わないが、体調が悪いときは「人間とはなんと脆い生き物なのだ」と嘲笑しながら世話を焼いてくれる、という見事な厨二病満載なツンデレ設定だった。

この設定に異を唱えるのが、アンドロイド制作会社の相談窓口コーナーの担当者。祖母の設定を丸ごと受け止めたうえで、キャラ設定のダメ出しを始めた。果たして、祖母は理想のアンドロイドを作ることができるのだろうか?
クールな相談窓口コーナーの担当者と祖母のやり取りが痛快!
「こんな未来があったらいい!」と絶賛されている「理想のアンドロイドを作る話」。今回は本作の裏話など、作者の村崎ユカリさんに話を訊いた。
――Xで投稿した「理想のアンドロイドを作る話」はいつごろ描かれたものですか?
たしか投稿日の2日前くらいに一気に描きあげました。アイデア自体は数カ月前からあり、時間ができたら描きたいなと目論んでました。
――理想のアンドロイド、近い未来にありそうですね。本作を描いたきっかけを教えてください。
ロボットのニュースを見ていて「いつか一家に1台アンドロイドがいるのが普通、みたいな世の中になるのかな」と想像してるうちに土台の話が思い浮かびました。
――おばあちゃんが思い描く、理想のアンドロイドのオタク感に「すごくいい!」と言うコメントが届いていました。キャラクター設定でこだわったところを教えてください。
「どこかで見た気がする設定・ビジュアルだけど、この作品のこのキャラに似てるという具体例は不思議と思い浮かばない」の絶妙なラインを目指していろいろ考えてみました。「厨二病の概念の詰め合わせ」がコンセプトかもしれないです。
――3世代共にオタクというオチ(笑)。今後、「アンドロイドとどういう生活を送るのか気になる!」と言う声もありましたが、続編についてはいかがでしょうか?
孫がおばあちゃんの影響で自分も理想のアンドロイドを作ろうとする話と、自分の趣味を出せずに無難な発注をしようとするお客さんの本心に気づいて背中を押してあげる販売員さんのお話は描きたい気持ちがあります。気長にお待ちいただけるとうれしいです!
――アンドロイド「ギルディア」のベースは、どのようにして考えたのですか?
「オークション会場で自分に買われた美しい魔族、という設定でアンドロイドを注文しようとするおばあちゃん」というアイデアがベースにあったので、そこから広げてみました。
――そのほか、どのような漫画を描いていますか?
現在「
政略結婚はオタ恋のはじまり
」という新連載が始まったばかりなので、よかったらそちらも読んで頂けるとうれしいです!ただ今、コミックシーモアさんで4話先行配信中です。
取材協力:村崎ユカリ(@murasakiyukarir)