「私はただの添え物じゃない」エリート夫に従属していた妻の決意とは【作者に聞いた】
嫁姑問題というのは昔からよく言われること。それは同居していてもしていなくても、起こり得ることだ。
薬師寺ユイの義母は、人の話を聞かない困った性格。約束なしに突然訪問してきたり、自分の育児論をユイに押し付けてきたりする。しばらくは義母の言動を我慢してきたユイだったが、ママ友の毒山海(ぶすやま・マリン)のアドバイスもあり、夫のシュウに「お義母さんと距離を置きたい」と伝える。シュウは「分かったよ…、うまいこと伝えておくから!」と返事をするのだが、ユイに黙って新居では義母と同居する話を進めていた。
義母との同居。関係性はどうあれ、家族の在り方に関わる重要事項を話し合いもせずに勝手に決められてしまったら、夫婦の信頼関係は壊れてしまうだろう。シュウは娘のリエのためにも同居が最高の環境だと話すが、ユイは「私はただの添え物じゃない」「もう言いなりになんてならない」とはっきりとノーを突きつける。そして、心配して会いにきてくれたマリンに「家、出るから」と宣言するのだった。
「どちらかの家庭が崩壊する漫画」として、エリート夫のいる薬師寺家とヤンキー夫のいる毒山家という両極端な家庭を描いてきた本作。崩壊するのは薬師寺家であることが決定的になったエピソードだ。シュウがユイの意見を軽んじているのは、「最終決定権は自分にあると思っていたから。この頃のシュウは仕事も上手くいっていて自信に満ちあふれていて、折れるということができないんですよね」と教えてくれた作者の横山了一(
@yokoyama_bancho
)さんに、嫁姑問題について話を聞いた。
嫁姑問題で「完全にどちらかの味方」はよくない?バランスの取り方が難しい!
――横山さんは漫画家の加藤マユミさんとご夫婦ですが、それぞれのご実家とはよいご関係だと話をうかがいました。
はい。薬師寺家の義母問題は、SNSでの体験談から作り上げていったので、自分たちの体験は入っていません。
――ユイがはっきりとノーと言っているのにもかかわらず、それでもシュウは母に対して「大丈夫!」と話をしています。妻と実母で意見が分かれたとき、どちらに寄り添うかというのは嫁姑問題でよく取り沙汰される話です。こうした場合、夫はどういう行動をとったほうがいいと感じられますか?
完全にどちらかの味方、というのはやはりよくないなと思います。もちろんケースバイケースではありますが…。男性はそのあたりどうしても鈍感なところがあるかもしれませんね。
――ユイは結婚したときからずっと我慢をしていたと言っていますね。ユイとシュウはどのように出会ったのでしょうか?
同じ大学だったというのは作中でも触れましたが、おそらくカジュアルな運動サークルつながりではないかと思います。どちらもスポーツは得意なので。シュウは大学でもモテていたでしょうね。
――最後、ユイはばっさり髪の毛を切っていましたね。ユイの元の髪型は、なかなか美容院に行く時間もとれなかったことを暗に示したものだったりしますか?
初めはそこまで考えていなかったです。描いているうちに「ユイさんの髪型、ちょっと重そうだな…」と気付いてしまって(笑)。ユイの心境の変化を表現するためにも、ストーリーも大詰めということでイメチェンしてもらいました。
元々は別世帯で暮らしていた人が同じ家で暮らすには、さまざまな気遣いが必要になってくる。対等である夫婦でもそうなのだから、義理の両親となればその気遣いはさらに必要になってくるだろう。同居についてせめて事前に話し合いをしていれば、“崩壊”を回避できたかもしれないが、妻の気持ちをないがしろにして話を進めてしまった以上、シュウの「説得」は徒労に終わるだろう。家を出ることにしたユイがどこに向かうのか、この先の展開が気になるところだ。









