ママだってコミケに参加したい!!「ビッグサイトの神も祝福する」同人誌イベントの託児施設 オタママの体験談を漫画化【作者に聞く】

ママは、コミケにきちゃダメですか?画像提供:(C)Satsuki Yotsutsuji, Yuka Matsuda 2023

親になったら、好きなことを諦めなきゃいけないの?授乳や離乳食、オムツの交換で終わってしまう一日。誰とも話さない日も多く、休息時間にスマホを見るのが唯一の楽しみだというママも多い。四辻さつきさん(※正しくは二点しんにょう)もその一人だった。きっかけは推しにハマって、二次創作をするようになってから。「コミケに参加したい!」という思いからスタートし、同人イベントに合わせた託児所を開設するまでに至った。今回は、にじいろポッケ(@nijiiropokke)の主催者、四辻さんに託児所設立から「同人イベントに行きたすぎて託児所を作りました」コミカライズまでの経緯をうかがった。

同人イベントの近くで託児施設を運営。親になっても、未就園児がいても、イベントに参加できる喜び!

【漫画】同人イベントに行きたすぎて託児所を作りました画像提供:(C)Satsuki Yotsutsuji, Yuka Matsuda 2023

「子供が小さいうちは、趣味は我慢する」「子供を預けてまでイベントに参加しなくても」という人もいるかもしれない。しかし、にじいろポッケは、パパやママの自分の時間を大切にし、リフレッシュできる時間のお手伝いをしてくれるの託児サービスだ。

ビッグサイトなど大きなイベントに合わせて、託児所を開設している。近々でいえば、2023年11月23日(祝)のCOMIC CITY SPARK18や12月17日(日)のDozen Rose FES.2023などだ。イベント参加者だけでなく、会場を訪れたいママたちも活用できる。

同人イベントに行きたすぎて託児所を作りました第1話(2)画像提供:(C)Satsuki Yotsutsuji, Yuka Matsuda 2023

イベント日時にアクセスのよい場所で、プロのスタッフが預かってくれる施設なのだ。「こんな施設があったら!」を実現させた四辻さんに、にじいろポッケができるまでの経緯など詳しく話を聞いた。

同人イベントに行きたすぎて託児所を作りました第1話(3)画像提供:(C)Satsuki Yotsutsuji, Yuka Matsuda 2023


――同人イベント中に子供を預けられるという画期的なサービスですが、どのような思いで、託児システムを作ることにしたのか教えてください。

第二子妊娠中に初めて同人活動にハマって、同人イベントに行きたいと思ったとき、子供一人のときは夫に預けられたのですが、子供二人になって、下の子(新生児)と上の子(二歳児)を二人とも夫に預けるのはお互い不安で。結局、下の子はお姑さんに預かってもらったんですが、私一人が一日出かけるためだけに、大人二人の予定を調整しないといけなくて、ハラハラしたり気を遣ったりするのがすごく理不尽に感じたんです。そんな思いをX(当時Twitter)で投げかけたら、たくさん反響があって、同じことで困っている人がこんなにいるんだ!と思ったのがきっかけでした。

同人イベントに行きたすぎて託児所を作りました第1話(4)画像提供:(C)Satsuki Yotsutsuji, Yuka Matsuda 2023

――漫画では、四辻さんが運営に至るまでの思いだけでなく、利用者目線の心理まで描かれていてとてもわかりやすいですね。コンテストに応募したきっかけは何でしょうか?

託児を立ち上げた頃、いろんな人が協力してくれて、いっしょに成長してきたという気持ちがありました。ただ、それから何年も経ち、立ち上げ当時のことを知らない方も増えてきました。そこで、いろんな人に共有できる形にしたいと思っていたのですが、私は漫画が描けないので、まず漫画みたいに楽しく読めるエッセイにしようと思いました。

ちょうどそのとき、Web小説「カクヨム」で「Web小説短編賞2021」というコンテストがあり、優勝したらコミカライズというのを見て、「これは、チャンスでは!?」と思って応募したところ、幸運なことに編集者さんの目に留まって、本当にコミカライズしていただけることになりました。

漫画化にあたっては、コミックエッセイとしては異色の利用者目線を入れるなど、「漫画」としておもしろいものになるよう意識しました。にじいろポッケを利用する方はもちろん、直接関わりのない人にもエンタメとして楽しんでもらえたらうれしいです。

同人イベントに行きたすぎて託児所を作りました第1話(5)画像提供:(C)Satsuki Yotsutsuji, Yuka Matsuda 2023

――現在、託児所を実際に運営されていますが、スタートまでに大変だったことはありますか?

漫画にもある通り、場所、託児スタッフ、資金とどれも大変でしたが、一番はやはり「資金」です。初めは、ベビーシッターは高いし、困った人が集まってお金を出し合えば、安くて便利になるはず!と思って始めましたが、なかなか思うように人が集まらず…。自分一人ならベビーシッターを雇ったほうがずっと安くて楽だったし、企業が参入してないのも、ひとえに「儲からないから」だったんだな…と、後から気づきました。でも、そんな「素人考え」だったからこそ始められたことだし、結果的にたくさんの人に応援してもらってここまでこられたので「結果オーライ!」と今は思っています。

同人イベントに行きたすぎて託児所を作りました第1話(6)画像提供:(C)Satsuki Yotsutsuji, Yuka Matsuda 2023

――実際に利用される方で、よくある質問はどのようなことが多いですか?

発達障害を持つ方のお問い合わせ・お申し込みが増えていると感じています。にじいろポッケは、何かを全員に一斉にやらせるようなことは基本的にせず、一人ひとりに合わせて、その子がやりたいことをやりたいタイミングでできるようにしています。

例えば、お昼ごはんやおやつも、基本的にはみんなで食べますが、どうしてもお腹が空いてしまった子やまだ遊んでいたい子には個別に対応が可能です。イベント期間だけの日常とは違う環境での保育、かつ少人数体制なので、教育的なことやしつけよりも、その日一日お子様が自分らしく安心して楽しく過ごせるということを大切にしています。ですので、ある程度の発達障害やグレーゾーンのお子様なら対応可能なことが多いです。

とはいえマンツーマンではないため、集団の中でお互い安心してお預かりできそうか、一人ひとりのケースを現場の託児スタッフといっしょに検討して判断しています。事前になるべく詳しくご申告いただき、お問い合わせいただけるとうれしいです。

同人イベントに行きたすぎて託児所を作りました第1話(7)画像提供:(C)Satsuki Yotsutsuji, Yuka Matsuda 2023

――何歳から利用可能ですか?

0歳7カ月からです。マンツーマンではないため、ねんねの赤ちゃんはおんぶして対応することも多いです。そのため、首すわり後であることはマストとなっています。

同人イベントに行きたすぎて託児所を作りました第1話(8)画像提供:(C)Satsuki Yotsutsuji, Yuka Matsuda 2023

――現在、コミックNewtypeで連載中ですが、未読話はどのようにすれば読むことができますか?

おかげさまで、2023年12月11日に単行本が出ますので、ぜひそちらを手にとっていただければうれしいです!只今、絶賛ご予約受付中です。漫画最終回の「その後」について、私の書き下ろしエッセイやネーム構成のうおまち時ノさん・作画のマツダユカさん、それぞれの楽しい描き下ろし漫画もあります♪

同人イベントに行きたすぎて託児所を作りました第1話(9)画像提供:(C)Satsuki Yotsutsuji, Yuka Matsuda 2023

――同人やイベントを楽しみたいという同じママさんたちに、メッセージをお願いします。

子供も大切、自分の心が自分らしくあることも大切です。日常の育児や生活をがんばっているのはとっても素晴らしくえらいことなので、ぜひ非日常のイベントを思いっきり楽しんでほしいです!お子様もその日一日同じくらい楽しく過ごせるよう、全力でサポートしたいと思っています。私もまだまだ子育て奮闘中ですが、お互い無理せずがんばりましょう!


近くに子供を預けられる人がいない、イベントの日は旦那さんが仕事など、どうしても調整ができないとき、イベント会場の近くで子供を預けられる「にじいろポッケ」が出番だ。子育てが大切なように、自分が人生を楽しむことも大切なこと!選択肢のひとつとして覚えておきたい。

取材協力:四辻さつき

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