天才外科医の手術、「時間との勝負」に斜め上の敗北!?「医療知識ゼロの人が描いた本格医療」4コマがぶっ飛びすぎ【作者に訊く】

命を救えなかった天才外科医……その原因は未知の難病でも複雑な手術でもなく「定時上がり」!?

時間との戦いを迫られる天才外科医、けれどその戦い方が予想外すぎる――!医療知識ゼロの本格医療4コマに爆笑画像提供:津夏なつな(@tunatu727)

SNS上に「1000本ノック」として日々4コマを発表し人気を集める津夏なつな( @tunatu727 )さん。中でも、天才外科医「黒川」を主人公とした「医療知識ゼロの人が描いた本格医療マンガ」シリーズが笑いを呼んでいる。代表作の紹介とともに、シリーズとして描くようになったきっかけやアイデアの発端について、津夏さんに話を訊いた。

「定時です」天才外科医でも勝てないタイムリミットがブラックすぎる

同シリーズは、文字通り医療知識ゼロだという津夏さんによる医療4コマシリーズ。天才外科医と称される黒川や病院のスタッフたちがシリアスなトーンで治療に臨むものの、治療の内容やピンチの理由が斜め上というギャグ作品だ。

「医療知識ゼロの人が描いた本格医療マンガ」5-1画像提供:津夏なつな(@tunatu727)

「医療知識ゼロの人が描いた本格医療マンガ」5-2画像提供:津夏なつな(@tunatu727)


X(旧Twitter)で7万件以上の「いいね」が寄せられた第5話は、緊迫した外科手術の場面からはじまる。「急がなければ手遅れになってしまう…」と、刻一刻を争う手術に集中する黒川たち。だが、タイムリミットは確実に迫り寄り、「時間よ…止まってくれ!!」という祈りもむなしく“その時”を迎えてしまう。

それは、病院内に響く5時のチャイム。戦っていたのは手術そのものではなく、定時退勤の時間だったのだ。黒川は「5時(定時)です…手術を終了します…」と、救えなかった命に悔しさをにじませるのだった。

「おまじないレベルの医術で本格漫画を」思いがけない反響からシリーズ化

労働環境としてはホワイトでも、医療漫画としてはブラックなオチに、読者からは「働き方改革ですね」「ホワイトな巨塔」「こればっかりは残業してくれ」とさまざまなツッコミが寄せられた同作。シリーズでは、自分が執刀医として手術をするために、美容院感覚で「カットモデル」を探す研修医や、ロープにもたれて眠る昔のロンドンの格安宿のような入院病棟など、医療知識はおろか、キャラクターも病院もぶっ飛んだ展開ばかり描かれている。今回は津夏さんに、そんな同シリーズの舞台裏をうかがった。

――最初のアイデアが生まれたきっかけと、シリーズとして描くようになった理由をそれぞれ教えてください。

「最初のアイデアは医療知識がまったくない人間がかろうじて知る民間療法や、おまじないレベルの医術で本格漫画を描いたらおもしろいんじゃないかという思いつきで描いてはみたものの、当時は漫画を描き始めて1カ月も経たない頃で、画力や構成力が全然足りず上手く表現できないもどかしさがありました。

それから毎日4コマを描いて修行し、1年経って改めて挑戦したところ、驚くほど大きな反響を頂きました。これに味をしめて、シリーズ化として続けていこうと思いました(笑)」

「医療知識ゼロの人が描いた本格医療マンガ」28-1画像提供:津夏なつな(@tunatu727)

「医療知識ゼロの人が描いた本格医療マンガ」28-2画像提供:津夏なつな(@tunatu727)


――津夏さんが「4コマ1000本ノック」として発表する作品は一発ネタの作品も多いです。一方、ある程度フォーマットが固まったシリーズを描く際の違いや難しさはありますか?

「SNSでタイムラインに流れてくる漫画は、パッと一瞬で読める単発の4コマが向いていると思っています。一方で、シリーズ作品や続き物の漫画は新たな読者が付きづらい印象があるため、なるべく初めて目にした人でも読みやすい内容にしなければと意識して考えています。4コマだけで全てを完結させなければならない一発こっきりのネタと比べて、続き物作品は描く側としてはとても考えやすくて楽ちんではありますよ(笑)」

――「医療知識ゼロの人が描いた本格医療マンガ」シリーズの中で、ご自身でお気に入りの作品はありますか?

「個人的なお気に入りは11話、21話、26話、33話です。特に33話は有名な医師の先生が引用リポストしてくれて感激しました」

取材協力:津夏なつな(@tunatu727)

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