【どうしてこうなった】胸キュン告白がいきなり怪異バトルに…!?途中でジャンルが180度変わってしまう短編漫画に驚愕【作者に訊く】
恋愛に疲れた女子大生が受けた、後輩からの突然の告白。恋愛漫画の山場で、突如「俺が本当の破壊力を見せてやろう」と“鬼”が現れて――!?

SNSを中心にウェブ漫画の盛り上がりは衰えず、2023年も一年を通してさまざまな作品が話題を呼んだ。漫画家のたむらゲン
(@jack_yakitori)
さんが2023年4月、自身のX(旧Twitter)に投稿し9万6000件以上のいいねを集めた創作漫画「大学生の恋愛に疲れた女子が、新しい出会いを通して変わる話」もそうした作品の1つ。漫画アプリ
「マンガワン」
で
『遥かなるマナーバトル』
(小学館・既刊第2巻)を連載する作者のたむらゲンさんに、作品の舞台裏を訊いた。

実は二人の作家による共作「読んだ人を驚かせるような内容」に
「大学生の恋愛に疲れた女子が、新しい出会いを通して変わる話」はそのタイトル通り、主人公である普通の女子大生が自らの恋愛事情に悩む場面から始まる。友人からの告白の返事を保留にしていた彼女が、趣味が一緒とわかり意気投合した後輩男子と急接近し、破壊力抜群の告白を受ける――という恋愛漫画の王道展開が前半は描かれる。


だが、告白の現場に何の脈絡もなく狂暴な鬼が登場することで、事態は一変。そこまでの恋模様は吹き飛び、女子大生と鬼との仁義なきバトル漫画に路線変更してしまい、読者からは「怒涛の展開」とツッコミを集めたオリジナル作品だ。
作者のたむらさんによると、この作品はたむらさんと友人の合作で生まれたという。「読んだ人を驚かせるような内容を描きたいと考えて、前半は友人、後半は僕が描くことで読者をだましてやろうと思い、このような形になりました」と、自身は後半のバトル路線を担当したと明かす。
そんな同作の肝とも言えるのが、恋愛漫画からバトル漫画へという理不尽にも思える路線変更。「映画『アウトレイジ』と『花束みたいな恋をした』を連続で視聴していたこともあり、その二作を繋げたような読書感覚になる作品を目指したというのがあります」と、そこにはたむらさん自身の鑑賞体験で受けたインスピレーションが影響していたそう。
また、内容は二人でしっかりと打ち合わせをして1つの作品として構想を練ったと話すたむらさん。「友人が描いた前半は、なるべく質感が出るように真面目に取り組んでもらいました。『大学生あるある的なものが盛り込めているといいなー』とか、結構しっかり話し合って作った記憶があります。展開が変わる前がしっかりと後半へのフリになっていたりと、友人の実力に助けられています」と、制作時の裏話を語る。

友人の担当した前半パート、たむらさんが描いた後半パートともに、それぞれの作者が描きたいことを詰め込んだ作品に仕上がったとたむらさんは振り返り、自身の担当パートでは「前半がややネガティブな感じなので、僕の暴力パートはむしろ『人間の生』の肯定になるように、前向きになるように努めました」と、作品に込めた思いを教えてくれた。
取材協力:たむらゲン(@jack_yakitori)