【ホラー漫画】「私ね、友達を呪ったの」取り憑いたお化けは、自分のところへ!?怪異の怖さと優しさを描く【作者インタビュー】

「最近調子悪くてさ」と具合が悪そうな女子高生。通りすがりの女子高生に視線を向けるのは、霊的なものが見えてしまう小学生だ。小学生が彼女の体に取り憑いているものに「離れて!」とお願いすると、体から離れてくれたものの――。ふに・無9(@funi_mu9)さんの「人助け」を紹介する。
彼女はかわいくて、勉強もできて、友達もいっぱいいた。だから、呪いをかけた…

世の中には、見える人、見えない人がいる。見える人の中にも、見える人と見えてしまう人がいる。少年は、真冬でも半袖半ズボンでも寒くない。それは、怪異がべったり少年を抱き込んでいるからだ。

そんな少年の姿を見て、見える人は「うわっ」と青ざめた。女の霊が体中に巻きついて、少年にすりすりしているからだ。

「化け物と友達になれる」という少年は、いつもぶつぶつ独り言を言っていた。それは、お化けと会話をしているからだった。
人と怪異がつながる、怖いけれど優しい話
お化けと会話ができる少年を主人公にはした「怪異と僕シリーズ」は、現在Xにて連載中。今回紹介する「人助け」はシリーズの一作で、怪異に取り憑かれた女子高生を助ける話。しかし、もとを辿ると呪いをかけたのは、友達。かわいくて勉強もできて、友達もいっぱいいる親友が羨ましかったからだ。今回は、怪異談を描くふに・無9さんに制作秘話を聞いた。

――怪異話を描き始めたきっかけは何ですか?
幼少の頃、同級生に“幽霊が見える“という子がいました。私自身はその頃オカルトに興味がなく、その子の話を真剣に聞いて受け止めることができませんでした。話の真偽はともかく、もっと正面から受け止められていたらな、と数年を経て、その子と再会したときに思ったのがきっかけです。

――カラーイラストで一場面を描き、そこから物語がスタートしますね。この形は、どのようにして生まれたのでしょうか?
漫画の投稿を始める前、元々はイラスト一枚のみで投稿をしていました。そのときに、一枚のイラストでどこまで物語を伝えられるのか、想像を掻き立てられるのか、という部分に凝っていました。その名残りから、今の形になりました。

――ふに・無9さんがこだわっている怪異のポイント、描き方などがあれば教えてください。
怪異は人間とは違う存在ですが、どこかに人との共通点を持たせて、馴染みやすさと不気味さのバランスが取れるようにしています。

――話が少しずつ繋がっているのもまたおもしろいのですが、話を構成する際のポイントはありますか?
話の大筋は決めているので、各話では登場人物の感情の動きに重きを置いて話を肉付けする形にしています。

――そのほかにどのような漫画を描いていますか?
拙作ではありますが、私の漫画を読んでくださる方々には感謝しきりであります。漫画「怪異さんと俺」と、もう一作「3〇3号室の神さま」もX(旧Twitter)ほかにて定期投稿しておりますので、今後ともお付き合い伏してお願い申し上げます。
取材協力:ふに・無9(@funi_mu9)