あんなにだるくて動けなかったのに…。1日のはじまりにエンジンをかける“理想の半熟目玉焼き”「心曇る日は ご自愛ごはんを」【作者インタビュー】
つらくても「食べる」、「食」を通じて心の病から少しずつ自分を取り戻していく、そんな経験を描いたコミックエッセイ「心曇る日は ご自愛ごはんを」。連載第5回目は、白身がぷるぷるの半熟目玉焼きを紹介。理想の目玉焼きを作ろうと毎朝試行錯誤していると、意外な効果があって…。
会社員として忙しくも充実した日々を送っていたある日、ふとした仕事のミスをきっかけに体調を崩してしまった作者のうめやまちはる(
@umeyama_chi
)さん。病気がもとで退職したあと、結婚。専業主婦をしながら回復に専念するも、なかなかよくならないことに不安を感じていた。病気の症状とわかっていても「あたりまえにできていたことができない」せいで、どんどん自信を失っていく。そんなとき、そっと寄り添ってくれたのは毎日の「食卓」だった。生きるために食べる。食べるために料理をする。そのささやかな繰り返しに、少しずつ心がほどけていく。

うめやまさんが自身の経験をもとに綴った本作は、第11回新コミックエッセイプチ大賞を受賞。「食」を通して取り戻していく日常の中に、大切な何かをきっと見つけることができるはず。
体がだるくて動けない…。つらい朝を救ってくれたのは?
薬を変えたことで、夜もぐっすり眠れて体調がよくなっているはずが、朝起きても体がだるく、すぐにソファに横になってしまう。パンだけの朝食を旦那さんに申し訳なく思いつつ、ふと子どもの頃にお母さんが焼く目玉焼きが好きだったことを思い出す。




あの目玉焼きが久しぶりに食べたくなり、朝、頑張ってキッチンに立ったものの、なかなか理想通りには仕上がらない。うめやまさんは「絶対リベンジしてみせる…!!」とやる気に火がついて――。



「元気がないから動けない」はもしかして逆?
キッチンで忙しく手を動かしていると、いつのまにかだるさは消えている。今までは「元気がないから動けない」と思っていたけど、元気とは動いているうちに出てくるものなのかもしれない。今回のエピソードについて、うめやまさんに聞いた。
――この作品を描くにあたってこだわったところ、読者に見てほしいポイントがあれば教えてください。
目玉焼きの絵は頑張ったので見てほしいです!(おいしさが伝わるように描けているといいのですが…)



――目玉焼きは醤油派、塩胡椒派、それともソース派ですか?
塩胡椒派です!
料理が得意な人も、そうでない人も、ふと作ってみたくなる、食べてみたくなるような心に沁みるレシピが登場する「心曇る日は ご自愛ごはんを」。今後も連載形式でお届けしていく。
取材協力:うめやまちはる(@umeyama_chi)