心と体が悲鳴を上げ休職…でも「休職したら全部OK」なんて、なかなかそうもいかない世の中に贈る漫画が心に響く【作者に聞く】

「&Sofa」(講談社)にて「すってんてんちゃんお休み日記」を連載していた漫画家・みぞグミ絵璃 (@mizogumi) さんが、SNSに投稿した作品が話題を集めている。働き詰めの毎日を送っていたものの当然休職することになってしまった主人公・てんちゃんが、平凡な日常を送る様子がほんわかしたタッチで描かれる本作。今回、作者のみぞグミ絵璃さんに制作の裏側などについて話を伺った。

上司からの期待に応えようとがんばり続けた“てんちゃん”だったが…画像提供:(C)みぞグミ絵璃/講談社


描きたいことがたくさんありすぎてまとめるのにひと苦労?

「アルバイターてんちゃん、社会のレールに乗る」1-1画像提供:(C)みぞグミ絵璃/講談社

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1-3画像提供:(C)みぞグミ絵璃/講談社

今まで普通に暮らしていたはずのてんちゃんだが…1-4画像提供:(C)みぞグミ絵璃/講談社

1-5画像提供:(C)みぞグミ絵璃/講談社


本作を描いたきっかけについて、みぞグミ絵璃さんは「 自分の休職経験がきっかけです。動けなくなるまで、自分の身体というものをあまり意識したことがありませんでした。エネルギーというのは食事で補給すれば無限に湧いてくるものだと勘違いしていましたし、お休み期間を経て初めて、疲れているときの身体感覚やリラックスしているときの身体感覚を感じ取れるようになりました。

もしかしたら多くの人が当たり前に知っていることばかりかもしれないのですが、私はそれを知る機会がなかったので、描いてみたいと思いました 」と、自身の経験を元に同じような苦しみを抱える人へ向けて作品を描いたことを明かす。

本作を描く際に苦労したことを尋ねると、「 描きたいことがたくさんあったので、短いページ数でまとめることに一番苦労しました。描くほどでもないような些細なことでも、てんちゃんたちの物語において大切なことのように感じてしまうんです。これは今でも私の課題で、上手に描写の取捨選択ができるようになりたいです 」と、キャラクターにとって大事なエピソードをどう選び取るかで悩んでいるそう。

てんちゃんはいつも仕事帰りに肉まんを買っているが、自身の「疲れを癒やす習慣」は何なのだろうか。みぞグミ絵璃さんは「 マッサージ屋さんに行くことです。会社員時代は、退勤後に急に『歩いて家に帰るのは無理だ』と感じることがありました。そういうときはマッサージをしてもらってからでないと家に帰れませんでした。

てんちゃんは肉まん1個なので、それと比べると贅沢ですよね…。今でも、どうしても自分で癒やせない疲れはマッサージ屋さんに癒やしてもらっています。タイ古式マッサージが好きです。マッサージ師さんには本当に感謝しています 」と告白。体や精神が疲れて悲鳴を上げている時、頼れるものがあることは大事なのかもしれない。

2023年には、本作のエピソードが収録された電子コミックスを発売したみぞグミ絵璃さん。最後に、「 続きが描けるように頑張りますので、ぜひ応援してもらえるとうれしいです。てんちゃんたちが、自分たちにとって楽しくて持続可能な生活を見つけるまでを描いていきたいです 」と、読者へメッセージを寄せた。


取材協力:みぞグミ絵璃(@mizogumi)

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