【漫画】「小手先の感動話は見透かされている?」漫画家自身が教えられた「創作において大事なこと」に反響続々
「左ききのエレン」や「おしゃ家ソムリエおしゃ子」など映像化もされた人気作を手掛けてきたかっぴー(
@nora_ito
)さんが、自身の体験を元に描いた漫画「マンガを描く度に思い出すアドバイス」。かっぴーさんが高校生の頃、英語教師から告げられたやや辛らつながらも愛のあるアドバイスには、読者から大きな反響が寄せられた。本作について、かっぴーさんに話を伺った。

「読者に“飲み込む時間”を与えたいときにこの方法を使っています」




「おしゃ家ソムリエおしゃ子!」や「SNSポリス」といったギャグ漫画に始まり、近年は自身が原作を務める「15分の少女たち -アイドルのつくりかた-」や「アントレース」など、さまざまな形で作品に関わっているかっぴーさん。本作のエピソードについて、「
漫画の中でも書いた通り、度々思い出す印象的なエピソードだったので、描いてみようと思いました
」と制作のきっかけを告白。
先生からのアドバイスがどんな時に生かされているのか尋ねると、「
起承転結は基本なので、それがいけないとは思っていません。ただ、漫画は読者がそれぞれのペースで楽しめる自由な媒体なので、何でもかんでもページをめくると答えがすぐあるというのは、もったいないなと思っています。読者に余韻というか、飲み込む時間を与えたいときに、この方法を使っています
」と明かしてくれた。
そんなかっぴーさんは、少年ジャンプ+(集英社)にて連載されていた代表作「左ききのエレン」の“原作版”をnoteにて連載中(作画:nifuni)。商業誌に掲載されなくても収入を得ながら漫画を描き続けられる方法を確立すべく、月額500円からの“メンバーシップ制”で公開されていることでも話題となっている。
この原作版について、かっぴーさんは「
元々自分の絵でインディーズ連載をしていて、第一部が完結したあとにリメイクした形なので、ジャンプラ版の続きを描いてるつもりはありません。漫画家になるきっかけが『左ききのエレン』だったので、漫画家を続ける限り続けようと思っています
」と語る。さらに、「
ジャンプラ版は最も美しい展開で終わらせられたので、原作版は最も悪い展開を描いています
」とのこと。ジャンプラ版を読んでいた人も、この機会に読み比べてみては。
取材協力:かっぴー(@nora_ito)