「俺はめちゃくちゃ動物にモテる」出勤もままならない想像を超えた懐かれっぷりに爆笑!サラリーマンの受難が笑える【作家に聞く】
散歩中の犬に襲われるほど懐かれたり、うっかり窓を開けて寝てしまうと鳥たちが集まってしまったり――何かと動物に愛れる半田。愛されすぎて出勤もままならないほどのトラブルに巻き込まれるのも日常茶飯事!?漫画家NANNO(
@nanno_koresiki)
さんの「動物にモテるサラリーマンの受難」を紹介しよう。
なんでこんなにモテちゃうの!?ってくらい動物に懐かれる主人公と動物たちのコミュニケーションに癒やされる

動物に好かれるとは一体どれほどか。主人公の半田は散歩中の犬に襲われたり、公園で考えごとをしているだけで、周辺に生息する動物たちが集まってくる。「懐く」という範疇を超えた特異体質。そんな半田が、山奥の支店に転勤を命じられるところから物語はスタートする。

半田は、自分が動物に好かれやすい体質であることから、山奥への転勤を拒否。クマにでもなつかれたら大変!日常的に森に住む動物たちとの受難が容易に想像できるからだ。しかし、上司の命令に逆らうことができず、どうすればいいのか悩んでいた。

帰宅途中のベンチで悩んでいただけなのに、いつの間にか半田の周囲にはたくさんの動物が…。肩やひざ、周囲に囲まれるそれが日常の光景。そこで半田を見た「カモ」は、後ろ姿をじっと見つめていた。これが大きなトラブルの始まりとなる。

本作を投稿し始めたのは、2018年の12月頃。「途中で留学したり別の連載をしてたりで1年くらいお休み期間があったので、合計で3年くらいでしょうか?誰に頼まれたわけでもないのに、よくそんな長い期間黙々と1人で描き続けたな、と我ながら思います(笑)」とNANNOさん。

半田くんが生まれたきっかけについて聞くと「もともとはデザイナーや商業イラストレーターとして活動していましたが、ある時期から『誰にも頼まれていない自分発信の作品を作りたい』と思うようになりました。『動物にモテるサラリーマンの受難』も練習の一環で描き始めたものです」

半田は放っておけない温厚な性格で、自分の髪の毛の中に巣を作ってしまったスズメたちに対して怒るでもなく、そっと電柱の上にある巣に戻したり、ついてきてしまったカモを見捨てられず、抱えて出勤したりする。はたから見れば、動物に常にストーキングされている状態なのだが、それがなぜか愛くるしくメロメロに癒やされてしまうのである。

こだわったポイントについて聞くと、「動物たちの造形はもちろんですが、実は『感情』にもこだわって描いています」とNANNOさん。「別のキャラがメインで喋っているときでも、動物たちはそれぞれに何かを見てたり動いたりしているので、動物の気持ちを想像しながら読んでいただくと、よりおもしろいかもしれません」半田が好きすぎるあまりの共感する表情も注目して読んでみてほしい。

日常生活を送るだけでままならない半田。常に受難を乗り越えながら動物と暮らす半田の姿に「エグいほどのマイナスイオン」と人気を集め、SNS発信の漫画は書籍になった。生活に支障をきたすほど動物に愛される姿に、時間を忘れて笑って癒やされること間違いなしだ。
取材協力:NANNO(@nanno_koresiki)