「ジオンMS開発史」を76体のガンプラで再現した『ジオンの系譜』が圧巻「量産カラーで統一して“外観の変遷”を強調」

モデラー・佐藤健司/kobarutoさん

“推し活”を応援するトレンドメディア「Fandomplus」では、編集部が衝撃を受けた“推しガンプラ”を連載で紹介していく。本稿では本稿では「ジオンの系譜」を製作し、SNSに投稿しているモデラー・佐藤健司/kobarutoさん(@modelerkobaruto)にインタビューを実施。製作にいたる経緯や、製作過程でもっとも苦労したポイント、この作品を通じて学んだことなどを振り返ってもらった。

モデラー・佐藤健司/kobarutoさん

モデラー・佐藤健司/kobarutoさん

モデラー・佐藤健司/kobarutoさん



商品化されていない21体のMSは自作で用意


――大作「ジオンの系譜」を製作するにあたって、どのようなアイデアが浮かびましたか?

【kobaruto】「ジオンの系譜」は、ゲーム「機動戦士ガンダム ギレンの野望」から着想を得たもので、ガンダムの世界において“兵器としてのモビルスーツ(以下、MS)”がどのように開発されていったのかを、絵ではなく立体物で表現できたらおもしろいのでは……と考え、プラモデルで製作する案を練りました。

2014年の「ガンプラビルダーズワールドカップ(GBWC)」日本大会において、ファイナリストに選ばれた自分の作品「GAT-X105」を参考にする形(※)で開発に当たり、2019年の「北海道モデラーズエキシビジョン(HME)」という模型展示会で試験的に作ったものを展示。そこで高評価をいただけたこともあって、少しずつ増加・発展をくり返していき、現状の形に行きつきました。
※アクリル板を使い、作品をパネルのように展示する形式

GBWC2014ファイナリスト作品・GAT-X105 モデラー・佐藤健司/kobarutoさん


――製作過程でもっとも難しかった部分を教えてください。

【kobaruto】まず悩んだのは、パネルそのものについてです。90センチ×90センチの透明アクリル板にどうガンプラを配置するか?どう固定するのか?というところで悩みましたが、CAD図面でMSや矢印、ボルトなどの位置を計算しながら書くことで、少しずつ作り上げていきました。

その次に難しかったのはカラーリングです。いちばん最初は12体のMSから始めたのですが、それぞれを別の色で塗装し、バラバラに仕上げた方がいいのか?逆に統一した方がいいのか?ここが悩みどころでした。その際、サブタイトルとして「MSの開発における外観の変遷を楽しんでもらうために、あえて量産カラーのグリーンで統一しております」という言い訳の文章をつけて出展してみたところ、皆さんの反応が非常によくて。そこから、こちらの作品で使うMSはすべてグリーンで塗装するようになりました。

――本作でもっとも楽しかった部分は何でしたか?

【kobaruto】現在、76体のMSが並んでいますが、そのうち55体は普通に販売されているか、パーツの組み合わせを変えた簡単なものです。ただ、残りの21体は数十年前に出たものか、そもそも商品化されていないものでして……。そこを作ることこそ、モデラー・kobarutoの真価を発揮するところ!という思いで製作させていただきました。人が持っていないものを作り出すのは、やはり楽しいですね。

――この作品で特に気に入っているポイントは?

【kobaruto】いずれか一つのポイントというより、作品そのものですね。じつはこれで終わりではなく、ここからもさらにバージョンを変えながら進化させていって。この作品はまだまだ広がっていきます。もしかしたら、一生かかっても終わらないかもしれないのですが、自分のライフワークとなったこの「ジオンの系譜」が好きです。

――この作品を通して、モデリングにおける新しい発見や学びはありましたか?

【kobaruto】今までいろいろな展示方法を試してきたなかで、こちらのスタイルにたどり着きましたが、これで完成というわけではなくて。ここからさらにバージョンを重ねつつ、新たな表現方法も模索し、試していきたいと考えています。

モデラー・佐藤健司/kobarutoさん

モデラー・佐藤健司/kobarutoさん

モデラー・佐藤健司/kobarutoさん

モデラー・佐藤健司/kobarutoさん



取材・文=ソムタム田井
(C)創通・サンライズ

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