「ヘッドホンの音量が大きい!」と若者に怒号を浴びせたサラリーマン…「大丈夫?」心配して若者に声をかけたらまさかの返しに唖然【作者インタビュー】

ヘッドホンの音量が大きい!と若者の襟首を掴んで怒号を浴びせたサラリーマン。若者を突き飛ばして、店を去る。飲食店で揉め事に遭遇した女性は「そこまでしなくても…」と言う思いが募り、突き飛ばされた若者に「大丈夫ですか?」と、優しく声をかけた。
すると、若者から悪意しかない言葉を浴びせられた――。福々ちえさんの
オリジナル漫画「モヤモヤ社畜OLと、勇気のマサラカリー」
に対して、「いい話」「勇気を出すって素晴らしい」などのコメントが集まった。
福々さんは、漫画家&イラストレーターとして活動中で、「お金がないと幸せになれない」と思っていた女性が、稼いでも稼いでも孤独や不安感が消えないコミックエッセイ「稼いだら幸せになれると思ってた」などの著書がある。
私、これを見なかったことにしていいのかな?





本作は飲食店での揉めごとですが、これは実際に福々さんが体験したものか聞くと、「一部のみ体験したエピソードです」と回答。続けて「昼間、駅で揉めている人を見ました。サラリーマンの方が、同じくサラリーマンの方の襟首を掴んで叫んでいて。何事!?と思ったのと同時に、“私、これを見なかったことにして通り過ぎていいのかな?”と自問自答しました」と悩んだとのこと。こういう自分の「正しさ」を揺さぶられる瞬間をテーマに作った漫画が、今回の「もやもや社畜OLが、スパイスカレー食べて元気になる話」だと教えてくれた。
本作の続編として、同じ店内に居合わせた女性視点で「仕事のできる女と、怒りのバターチキン」を描いている。続編を描いた理由は、現実の世界をやさしく受け止めてもらえたら、との思いからなのだそう。「2作目は、1作目と違っていわゆる“嫌な女”を主人公にしました。同じくカレーを食べて奮起したはずが、逆に自分を追い込む事態になっちゃって…と受難が続きます。こんな風に、人間には一人ひとりドラマがあるんですよね」と強調。たまたま隣り合わせた、同じ場所にいた、すれ違った……そんな人達にも、それぞれ葛藤やドラマがあると想像できれば、世界がやさしくなるかも…と考えているようだ。
言葉ひとつで1人の気持ちを変えることができると気づいた女性。さらに、続編は同じカレー屋に居合わせた“仕事ができる女性”が、仕事のできない後輩に手柄を取られてもやもやする話を描く。カレーでつながるリレー方式のエッセイ漫画を読んでみよう。




■取材協力:福々ちえ(@fukufuku_comic)