「パパの洗濯物、勝手に入れないで!」父娘で一緒に洗濯するのはダメ!?落ち込むパパに娘の返しは?【作者に聞いた】
「パパの洗濯物をさ、勝手に洗濯機に入れないでって、私言ったよね?」高校生の娘は不機嫌そうに言う。「一緒に洗濯するのは嫌な年頃か…」父は、とうとうそんな日が来たかとショックを受けた。しかし、ツンツンしている娘は実はパパが大好きで――?娘の返しにデレる読者が続出する、こばやしたけし(@attake_)さんの「父と娘の日常。」を紹介するとともに、創作の経緯や今後の展開について話を聞いた。
一見冷たそうな口調の娘。しかし、裏を返すとパパが大好きで…


「パパの洗濯物をさ、勝手に洗濯機に入れないでって、私言ったよね?」高校生の娘は不機嫌そうだ。一緒に洗濯するのは嫌な年頃になったか、と思いきや。「このシャツめっちゃ高いんだよ。ネットに入れて洗わないと」と指摘される。「えええ!そんな理由?」嫌われていなくて、ホッとするパパだった。


またある日、残業で深夜に帰宅。「残業で遅くなるから、早く寝てなさい」と連絡したはずなのに娘はまだ起きていた。玄関先で「おかえりなさい」という娘にそう言うと、「言われなくても、今寝るとこなんだけど」と、ツンツン。「じゃあ、おやすみ」と立ち去る娘は、去り際「今日の夕飯はパスタだから。今茹で上がったから、ソースかけてすぐ食べて」と言い残した。もしかして、残業で遅くなるパパのために帰宅時間に合わせて調理してくれたのか…?パパは、娘の言葉の裏側に背景が見えてグッと胸が熱くなった。


突然、バイトをしたいと言い出した娘。「理由は聞かずに同意書にサインして」と言う。おこづかいは十分あげているはずなのに、なぜ?まさか、彼氏と…。焦ったパパが、「理由を言いなさい!」と詰めよると、娘は渋々「パパの誕生日が近いから、サプライズでプレゼントしようと思って…」と白状。娘を信じ切れず反省するパパは、しかし内心浮かれていた。
パパを登場させないことで、読者がパパ目線になれる!みんなデレてニマニマする至福の瞬間
――まずは「父と娘の日常。」を描き始めたきっかけを教えてください。
高校生くらいの年代の娘のイメージって父親に対して必要以上に厳しいというか、それこそ嫌うとまでいかなくてもなんか急に距離感がめちゃくちゃでますよね。私も経験上からよくわかります。
そうした世間一般のイメージの「父と娘の微妙な関係」を逆手に取る感じで、「一見厳しいことやドキッとする発言を言う娘なんだけど、実はパパのことを思っているからこそ」というギャップを描いたらおもしろいんじゃないかな?と思って試しに描いたのがきっかけです。
それを何回かTwitter(X)に投稿したところ、テーマ的に珍しいというか、あまり見かけたことがない新鮮な作品ということで回を追うごとに好評いただきまして、それからこの作品を描いております。
――父が登場しない設定にした理由はありますか?
番外編に登場してる回もあるんですが、たしかにほぼ登場していないですね。父親を画的にあまり登場させていないというのに深い意味はないのですが、あえて理由を述べるとしたら「読者視点」ですかね。簡素ではありますが、こうすることで擬似的にこの娘さんの父親の気分を味わってもらえるのではないかと。
――1ページで読み切りにした理由はありますか?
SNS上ですとタイムラインに流れてくる場合がほとんどなので、まず一目で読んでいただける内容にしたほうが伝わりやすいと思い、このスタイルにしております。それと制作側としては「思いついたらすぐ描いてアップしやすい」という回転数を上げることにも役立っております。
――父と娘の距離感が絶妙です。思春期の娘のツンツンしたところは、どのようなところで思いつくのでしょうか?
私は普段父親としての目線で生活しておりますが、逆に「娘の視点で考えるとどうなるか?」というのを常々考えており、そこで思いついたことを作品に投影してるかと思います。それこそ料理、食事やお風呂、掃除や洗濯といった普段の生活、それこそ「日常」から思いつきます。
――娘の愛あるツンがいいですよね。こばやしさんが制作するうえで、気をつけていること、見てほしいポイントはありますか?
こだわっている点というところでは、表面的・直接的に父娘をベッタリとさせないことですね。娘が父親にベタベタ甘えたり、父親が娘に甘々だったり。それだとただ溺愛してるだけの関係になっちゃうのでおもしろくない。
そうした直接的な表現はあえてしないで、「何気ない会話だけ」で父娘がお互いを思い合う関係を描くようにしております。見て欲しいテーマは、そんな何気ない日常の会話から垣間見える親子の絆といいますか、根底にある「家族の信頼関係」ですね。
――「父と娘の日常。」はKindleで無料で読むことができますが、今後の展開は?
今後の展望としましては、ありがたいことに読者の方も増えてきたので今までの一枚絵スタイルからコマを割ったショートマンガ形式にしたり、4コマにしたりと表現方法をいろいろと増やしていこうと思ってます。
あと過去編として幼稚園や小学生の時のネタとかももっと描いてみたいですね。現在はアナザーストーリーとして、娘の「神沢有澄」の学校生活をとある視点から描いています。こちらも楽しんでいただけるとありがたいです。今後はネタ的にショートドラマとか映像化にも向いてると思いますので、そういうのも出来ればなぁ、と思っております。
――そのほかにどのような漫画を描いていますか。
こちらの「父と娘の日常。」の他にも、短編とかいろいろとSNSで描いておりますので、読んでいただければうれしいです!
1ページ目は、ちょっときつめな口調とクールな表情の娘。パパのことを疎ましく思っているようにみえる。しかし、2ページ目で本心を知ると…?いつもパパのことを気遣う優しい娘のギャップを楽しんでほしい。「父と娘の日常。」は、現在
Kindle版
で6巻まで無料配布中。
取材協力:こばやしたけし(@attake_)