相続放棄したはずなのに“親の借金請求”がきた…?よくある「相続放棄」の勘違いについて描く法律ホラー漫画【作者インタビュー】

知らないとヤバイ法律、知ったら知ったで悪用する人が出てきてしまう……それが法律です。弁護士をしながら、法律にまつわる4コマ漫画を日々、X(旧Twitter)で発信をしている【漫画】弁護士のたぬじろうさん(
@B_Tanujiro
)。
意外と身近に存在する、法律にまつわる「ヤバイ」を漫画にすることで、法律を知ることの重要性を読者に投げかけています。
今回は、「相続放棄」にまつわる怖くてヤバイ話。相続放棄の正しい手順を知らないと、気づいたときには多額の借金を相続してしまっているかも……!?
多くの人が勘違いしている相続放棄。実は裁判所に申述しなければ意味がなかった!?



この話を漫画にしようと思ったきっかけについて、作者のたぬじろうさんは「このマンガのようなケースはよくあります。それこそ、相談者に毎回確認したくなる程度に(何を確認したくなるかはマンガをご覧ください)。多くの人が陥りやすいヤバイ事例として、マンガの題材に選びました」と話してくれた。
今回のテーマである相続放棄は、裁判所に出し忘れているケースがかなり多いという。「出し忘れている」というよりは、そもそも「出さないといけないという認識がない」というケースが多いそうだ。
相続放棄ができる期間は、相続開始から3カ月とされているが、債権者から連絡が来て初めて借金の存在を知った場合など、「借金の存在を知ったとき」から3カ月間以内であれば、裁判所は相続放棄の申述を受理してくれるそうで、多くのケースは相続放棄で対処するとのこと。
裁判所に申述せずに「相続放棄をした」と誤信しているケースは多く、遺産分割協議において、一切相続をせずほかの相続人に遺産を譲ったという場合でも相続放棄にはならず、債権者は、法定相続分に基づいた借金の弁済を、一切資産を相続しなかった相続人を含む各相続人に対して請求可能であるため、相続人となる際は注意が必要である。
また、たぬじろうさんによると相続放棄にも落とし穴があるそうなので、念のため弁護士に相談した方が安心だ。
この漫画を読むことで「相続放棄は裁判所に申述しなければいけない」という法律知識普及の一助となれば幸いだとたぬじろうさんは語る。
取材協力:【漫画】弁護士のたぬじろうさん(@B_Tanujiro)