「やっぱり退職します」中途社員は初日の昼休憩で辞めた!?ハードワーク過ぎて退職者が後を絶たない会社に4年勤めていました【著者インタビュー】
希望を抱いて入社した会社は、ハードワークでブラック労働だった。次々、退職していく同期を見送りながら「とりあえず、3年は仕事を続けよう」と、じょん(@John25uru)さんは新入社員から4年間勤めあげた。最後には神経症を発症し、退職するまでの漫画「暗黒労働編」を紹介する。
入社初日の挨拶回りで「私たちは明後日辞める」という先輩は「ごめんね」と言った



入社して早々。歓迎会ではみんな優しそうと、社会の一歩を踏み出したじょんさん。その日の挨拶回りで、先輩たちに「私たちは明後日辞めるの、ごめんね」と言われる。さらに内定時期にいた先輩たちも見当たらない。聞くと「みんな辞めちゃったんだよね」と言われ、一抹の不安がよぎる。


働いてみて思うことは「社会人ってこんなに大変なんだ」ということ。社内研修や打ち合わせを終えると、すでに定時。そこからようやく通常業務をこなすため、終電ギリギリもしくは深夜を過ぎる日も多かったという。


上司には「社会人は頑張ることが当たり前なんだ」と聞かされ「社会人ってしんど」と思いつつも、じょんさんは、それが当たり前だと刷り込まれ、残業が「普通」だと思うようになった。



社畜一辺倒の生活が当たり前になった、深夜1時。「早く寝ないと」と思う反面、寝たらもう明日になってしまう、という恐怖が生まれた。
徹夜や2~4時間睡眠ばかりで、とてつもなくハードな職場だった

――漫画を描き始めた理由を教えてください。
父から「転職活動の体験記の本でも書いたら?」と言われたことがきっかけです。自分は、会社を退職してから転職活動をしていた時期が長く、200社以上応募して面接も何十社と受けてきました。その話を親にしていたら驚かれ、父にそう言われました。確かに、自分みたいな経験をしている人はあまりいないだろうから、おもしろそうだなと思いました。でも、明らかに前職でハードワークしていた時の方がネタが豊富だなと思ったので、社会人になってからのエピソードから順に描いていくことにしました。

――暗黒労働編は、どのくらいの期間働いていたのでしょうか?
約4年働いていました。今思うと、よくこんなに続けていたなと思います(笑)。当時は、「とりあえず3年は続けよう」とか、そんな考えにも縛られていたような気がします。睡眠時間の記録を見返すと、当時は徹夜や2時間、3時間、4時間睡眠ばかりで我ながら戦慄しました。とてつもなくハードでしたが、仕事の基準が上がり、メンタルもだいぶ鍛えられました。

――同期や先輩がどんどん辞めていくほど、過酷な労働環境だったんですか?
辞めていく理由はそれぞれあると思いますが、ハードな労働環境ではあったと思います。自由な側面もありましたが、任される業務量は割とありますし、スピードも求められました。とくに新卒のころは、右も左もわからず、自分の要領も悪かったので大変でした。人が抜け始めるとその分の業務がさらにのしかかってくるので、どんどん疲弊していきましたね。よく「顔、死んでるよ」と言われました。

――かなり遅くまで残業されていますが、その分給与に反映されていましたか?
固定残業代だったため、超過した分は残業代がつきました。ですが、残業代より早く帰れる方がずっとうれしいです(笑)。

――退社した理由やきっかけはありますか?
身体に症状が出始めたためです。「あ、これやばいな…」と危機感を感じました。やはり健康が一番なので…。

――一番辛かったエピソードがあれば教えてください。
仕事を連休前に片づけきれず、持ち帰ってお盆休みや正月休みに徹夜して仕事していたことですかね。とてつもなく眠いのにやらなければいけない状況と、せっかくの休みなのに仕事をしているという状況をダブルでくらい、頭がおかしくなりそうでした。
睡眠不足というのはもちろん身体に悪いですが、自分の好きなことに時間を割けないという精神的なダメージもかなり身体に悪いです。今思い出したのはこのエピソードですが、もしかしたら忘れているだけでもっと辛かったことがあるかもしれません(笑)
中途採用で入った新人に業務内容を説明すると、その人は昼休憩のあとに「やっぱり、退職することにしました」といって消えた。少しは負担が減るかと思ったのに、実質一日も経たずに辞めてしまうような環境とは。淡々と業務をこなしていくうちに社畜になったじょんさん。しかし、体に異変が現われて?
取材協力:じょん(@John25uru)