声優・竹中悠斗「量産型ではいたくない」「“竹中悠斗”だから」と呼ばれる声優に【“未来の推し声優”名鑑】
デビュー間もない新人声優から、ネクストブレイクの期待が膨らむ若手まで、声優のパーソナリティにフィーチャーする特集「“未来の推し声優”名鑑」。声優という職業を目指したきっかけや役者としての持ち味、素顔がうかがえるプライベートな部分までを紹介し、“推し”の新たな魅力を発見する。
今回は、海外映画「ディア・グランパ 幸せを拾った日」のヘンリー役の吹き替えをはじめ、アニメ・ゲーム・舞台と幅広く活動する新人の竹中悠斗さんを紹介。専門学校時代に直面した壁や苦労、かけがえない“推し”や大切な作品、声優としての理想像について話を訊いた。

今回紹介するのは……「竹中悠斗」(たけなか ゆうと)さん
誕生日:7月1日
出身地:北海道
特技:北海道弁 / 卓球 / イラストを描く
趣味:声で遊ぶ / メイク・美容 / 動画・映画鑑賞 / 香水探し / 歌唱
高音も低音も!幅広い音域が魅力の竹中悠斗さん
――声優に興味を持ったきっかけ、プロを目指したきっかけをそれぞれ教えてください。
【竹中悠斗】
幼いころから観ていたたくさんのドラマやアニメがきっかけでした。母親が普段からテレビでドラマを観ていたので、自然に私も観る機会が多く、そこで普段生きていてあまり表に出さない、出せない感情も、役を通じて表現できる役者という職業に感銘を受けたのがきっかけです。
プロになろうと思ったのは、高校生のころに参加した声優の専門学校の出張体験入学でした。元々声を使うことが大好きで、一人で台本を読んだり、「アニメから聞こえてくるこの声は、喉をどう使えば出るんだろう……」と遊んでいたので、その体験入学はプロになろうと思うには十分でした。
――声優を目指してからデビューするまでに、印象的だったエピソードはありますか?
【竹中悠斗】
目指し始めて間もないころに驚いたのは“声優は地声でもお仕事ができる”ということでした。私は声優としてお仕事をするためには、アニメ声でなければならないと思っていたんです。実際はそうではなく、まず自分の声を知り、発声と演技力、想像力などを鍛えることが何よりも大切なのだと知りました。
また、大変だったことは新聞配達です。私は専門学校の声優学科に新聞奨学生制度を利用して通学していて、深夜1時半には起きて新聞配達をし、朝の9時から12時まで学校でレッスンを受け、15時からは夕刊の配達……、というサイクルの生活だったので、学業と仕事の両立がとても大変でした。
――お芝居をする中で好きだったり得意な役柄・ジャンルを挙げるなら?
【竹中悠斗】
自分に近い役だとやはり感情移入しやすいです。私は体が小柄で地声もやや高め、引っ込み思案で根暗な性格。あとは幼いころからかわいいものや綺麗なものに惹かれていました。なので華奢な子や真面目でメガネをかけているような少年、かわいいものが好きな子、中性的な見た目の子が得意です。
――声優として「自分の特長はこれ!」と思う点は?
【竹中悠斗】
私の声は成人男性にしてはやや高めで特徴的な声をしているので、それは業界にもとても需要があると思っています。こう言うと「低音はあまりかな?」と思われがちなのですが、現場で「そんな低い声も出るの!?」と驚かれるくらいには低音域も意外と出るので音域の広さも強みだと思っています。
「この人のライブにしか行ったことがないくらい」竹中さんの推しアーティストは?
――ご自身の性格を一言で言うなら?
【竹中悠斗】
「真面目」です。
――特技について詳しく教えてください。
【竹中悠斗】
最近だと男性でも珍しくはないのですが、メイクができることです。顔出しの現場で「自分でメイクできる方だと助かる」という意見を聞いたことがあるので、もしかしたらお仕事とも関係しているのかもしれません。
――好きなものと苦手なものをそれぞれ教えてください。
【竹中悠斗】
好きなものは、古代生物と水族館、優しくて思いやりのある人。古代生物と水族館の理由は、幼いころに観た「恐竜キング」というアニメ(※「古代王者 恐竜キング Dキッズ・アドベンチャー」)の影響が大きいかもしれません。そして思いやりのある人は、きっと誰しもが好きですよね。“優しい”と“人に甘い”は似ているようで異なっていると思っていて、私は前者になりたいです。
苦手なものは、魚介類と人の気持ちを考えられない人です。前者の理由は、小学生のときに学校の給食で無理矢理焼き魚の皮を食べさせられたのがきっかけかもしれません。後者は、大多数の人の精神的ダメージになるものだからです。精神的ダメージが蓄積すれば、いずれ身体に支障をきたしてしまいます。
――Fandomplusは「推し」がテーマのメディアです。竹中さんに“推し”と呼べるものはありますか?
【竹中悠斗】
「まふまふ」さんです。私が人生で一番ハマって、この人のライブにしか行ったことがないくらいのアーティストです。あの方が織り成す世界観の楽曲と、男性とは思えない高音を得意とする歌声には唯一無二のものを感じます。
目指すのは“自分を持った”声優
――憧れの声優や、人生の中で大切な作品は?
【竹中悠斗】
幼いころから観ていた「NARUTO」は未だにアニメを見返すくらい大好きで大切な作品です。尊敬している方は、声優という職業をやっているすべての方です。憧れの方は、作ってしまうとその方をずっと越えられない気がするので、意図的に作らないようにしています。
――竹中さんのリフレッシュ法を教えてください。
【竹中悠斗】
涙活です。泣ける映画や作品を観て涙を流すと、いつの間にか溜まっていたストレスを涙が一緒に流してくれる気がします。
――今後演じてみたい役柄や、挑戦したいお仕事は何ですか?
【竹中悠斗】
最近「“裏がありそうな役”が合いそう」というお言葉をもらったので、そういった役をやってみたいです。それと似てますが、思いっきり性格の悪いというか、意地の悪い役もやりたいです。普段生きている中で湧いた黒い感情を、役を通じて表現するよい機会になりそうです。そして、まだ年齢が若いうちにアイドル系の作品にも出たいです。
――プライベートでやってみたいことは?
【竹中悠斗】
水族館と博物館巡りを兼ねた旅行です。好きなものにたくさん囲まれたいです。あとはアフタヌーンティーなんて小洒落たこともしてみたいかもしれないです。わりと大食いな私は「結局焼肉の食べ放題しか勝たん!」となってしまうかもしれませんが……。
――最後に、これからの目標を教えてください。
【竹中悠斗】
スケールが大きく、抽象的なものになりますが、「“自分を持った”声優」になりたいです。大先輩の方々の「自分の代わりはいくらでもいる」というお言葉がありますが、そんな中でも“竹中悠斗”だから一緒に仕事をしたい、“竹中悠斗”だから応援したいと思っていただけるようになりたいです。だから量産型ではいたくない。唯一無二の存在になれたらな、と考えています。