結婚まで阻止されるの!?大人になってもなお続く養母からの嫌がらせ…その目的とは？【作者に聞いた】

ライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」やInstagram(@yuppe2)で、エッセイ漫画を描いている漫画家のゆっぺさん。なかでも、2021年12月から執筆してきた「 親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話 」は完結後、電子書籍が発売。読者からは「(ほかの人にも)読んでみてほしい」「おばあちゃんの言葉が今の時代に対してとても大切なことを言ってくれていて、時々読み返してる」「人生で一番大切なことが描いてある漫画」など感動の声が続出している。

そんな話題の「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」の作者であるゆっぺさんに、本作について話を聞いた。

本作では、ゆっぺさんの祖母“キヨさん”の幼少期からの実話が描かれている。父の死により、幼いながらも養女として叔父の家で暮らすことになったキヨは、養母から酷いいじめを受ける日々を送っていた。

そんな生活に耐え続け年ごろになったキヨのもとに、縁談の話が。キヨは過酷な状況から逃れるため見合いを望むが、養母の猛反対にあい、養母からのまさかの提案に驚愕する…!!

作者のゆっぺさんに話を聞いた

ゆっぺさんに「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」について、話を伺った。

――キヨが近所の方から縁談を持ちかけられますが、その際に「あのお母様の元で暮らすのはつらいでしょう」と声をかけられるシーンがあります。やはり近所の方にも、養母の評判はよくなかったのでしょうか？

それが、養母は外面は非常によく、気前もよかったので、近所の人には好かれていたようなのです。キヨが酷い扱いを受けていることは、近所には口止めしていたそうです。ただ、中には養母の性格を見抜いている人もいて、キヨに同情する人もいたみたいですが。

ちなみに、養母はとても綺麗な容姿をしていたそうです。漫画では意地悪な顔に描いてしまいましたが、実際は美人だったという…(笑)。

―― 養母は、そんなせっかくの縁談もつぶそうとしてきます。反対していたのは、家の働き手が減ってしまうからなのでしょうか？それとも何事も「自分の思い通りに」しないと気が済まない…ということなのでしょうか？

家事一切をキヨが担っていたので、いなくなったら困るということもあったと思いますが、養母はとにかく世間体を気にする人だったそうなので、結婚相手はお金持ち(畑をたくさん持っている)や学歴のある人が条件だったそうです。ようは、自慢できる相手が欲しかったんでしょうね。

そういう意味では「自分の思い通りに」ということもあったと思います。養母はもともとお嬢様育ちで、旦那さんが亡くなってからは余計に自己中に拍車がかかったようです。漫画の中にも出てきますが「この土地は私のもの！私の土地で暮らす者は私に従うのが当たり前！」です(笑)。1人じゃ何もできない人だったようですよ。

――素朴な疑問なのですが、当時は見合い(縁談)を断ることは許されたのでしょうか？

親の決めた縁談を子どもが断ることは許されなかった時代だったようです。よほどのことがない限り、女性側から縁談を断るのもダメだったとか。なので、まだ幼い姪を見合いに同席させて世話をさせられるだろうと相手に思わせる…などわざと嫌われるような行動をして、向こうから断られるように仕向けたそうです。


実母に捨てられ、壮絶な家庭内いじめに耐え、やっとお見合いできるかと思えば阻止され…と、過酷な人生を歩んできたキヨさん。そんな状況下でも常に前向きだった彼女の生き方に、感銘を受ける人は多いはず。まだの人は「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」をぜひ読んでみて。

取材協力・画像提供：ゆっぺ(@yuppe2)