「盃」の中に男性の姿が!魂が宿る不思議な「縁結び」に「すてきな話」「この盃欲しい!」の声が届く【作者に聞く】

「相手と約束事をする」「信頼関係を作る」ときに用いられる「盃」。神事や祝いごとにも使用される「盃」の不思議な縁結びを描いた、かんさび(@kansabi_kk)さんの「盃の話」を紹介する。今回は、同作を紹介するとともに制作の経緯や見どころを聞いた。


背景や続きに想像を巡らせてもらえるような「ものに宿る」物語を描き続ける

盃の話01画像提供:かんさび(@kansabi_kk)

「盃」といえば、お酒を飲む酒器だが、結婚式や契約を交わす儀式でも使われる。かんさびさんに盃をテーマにした理由を聞くと、「最初は友人への結婚祝いとして贈る『夫婦茶碗』から着想を得て、物語を考え始めました」という。

盃の話02画像提供:かんさび(@kansabi_kk)

「その後、夫婦の契りなど日本の儀式について調べるうちに盃にテーマが移りました。日本には『約束の儀式』が多く存在します。他の国にも似た風習はありますが、日本ほど細かくモノや事柄に縁起や意味を込める文化は珍しいと思います」作中では、「縁結びの盃」として描いている。

盃の話03画像提供:かんさび(@kansabi_kk)

「この盃の話には、特定の伝承や昔話を元にしたわけではありません。調べを進める中で、盃が『縁を深めるもの』として使われていることに心を惹かれ、この物語を思いついたのです」と、かんさびさん。本作をXに投稿すると、「昔から日本酒用の酒器は出会いと別れ、縁と共にあるような物ですからね」「すてきなお話です!」などの声とともに、3.7万のいいねが集まる。

盃の話04画像提供:かんさび(@kansabi_kk)

ほかにも「お守り」「ペンダント」など骨董品などにこもる思いや不思議な話を描く。「日本の文化は、ものを大切にする精神とともに育まれてきました。付喪神(つくもがみ)信仰に象徴されるように、古いものに魂が宿るという考え方は、日本人のものへの価値観をよく表していると思います。私は、そうした『ものに宿る』を物語として描き続けています。読者が物語を通じて不思議を体験し、その背景や続きに想像を巡らせてもらえるよう意識しています。日本ならではの価値観を軸に、読者と共に物語を楽しみたいと考えています」

盃の話05画像提供:かんさび(@kansabi_kk)

創作物であるにもかかわらず、どこかに「本当にあったかもしれない」と思わせるエピソードも多く、読後に温かく不思議な気持ちになるのがかんさびさんの特徴だ。そして今回、Xに投稿した作品が書籍になるという。

盃の話06画像提供:かんさび(@kansabi_kk)

「今回の『盃の話』をはじめ、他にも『骨董品』や『あやかし』にまつわるお話をまとめた書籍を出版していただくことになりました。フォロワーの皆さまのご支持をいただき、成城大学の及川先生の監修を経て、本という形にまとめることができました。この書籍が、日本の民俗学や伝承に興味を持つきっかけとなり、同じ世界観を愛する方々と繋がる架け橋になればうれしいです。現在、Amazonにて予約受付中です。ぜひ手に取っていただければ幸いです!」



取材協力:かんさび(@kansabi_kk)

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