「誰よ?この女!!」ストーカーに悩むサラリーマンを救ったのは亡き妻にそっくりの強い女性だった!!【作者に聞く】

「もう会わないってどういうこと…?」青ざめた顔をした女が男に詰め寄っている。「い、いや、ちょっと…」男はとても弱腰だった。そこに颯爽とヒーローのように現れた女性がいた。彼女は、男が忘れられずに想い続けている亡き妻にどこか似ていた。

女の態度が豹変し、男に詰め寄る高野准(@takano_66)


真っ昼間の公道で女に詰め寄られていたのは、サラリーマンの平島。助けてくれたのは、その道のすぐ前で喫茶店を営んでいる女性オーナーだった。オーナーは腰を抜かしている平島を店内へ案内し、温かいコーヒーを淹れてくれた。話を聞けば、騒動を起こしていた女は“彼女”ではなく、取引先の担当者で、会うのも4回目。ほかの仕事の関係で担当を変わることになったことを伝えると態度が豹変し「裏切りだの浮気だの詰め寄られて…」とのことだった。

外から喫茶店の窓を叩く女。目に怨念がこもっている高野准(@takano_66)


本作は「アフタヌーン四季賞2022春」(講談社)で佳作を受賞。本作を描いたのは、「good!アフタヌーン」(講談社)の2024年9号で「峰家の双子は似ていない」が掲載された漫画家・高野准(@takano_66)さんである。高野さんはこれまで講談社が主催する「アフタヌーン四季賞」で数多の賞を受賞しており、本作もその中のひとつである。高野さんに本作に込めた想いや次回作について話を聞いてみた。

女は取引先の担当者というだけでなく、社長の娘だという高野准(@takano_66)


――本作は妻との死別をいまだに受け入れきれていない主人公が、一歩踏み出すストーリーとなっていますが、こだわったセリフや力を入れて描いたシーンなどはありますか?

今の主人公と、昔の主人公の違いにぜひ注目してほしいです!昔の主人公はなんと言われても妻のそばにいようと強気だったけれど、今の主人公は寄る辺をなくしてどこか頼りない印象。特に過去の回想と共に「彼女が死んで、僕も死んでしまった」と語るシーンは、今の主人公の様子が腑に落ちるようにこだわって描きました。

――現在コミックDAYSに多数の読み切り作品が掲載されていますが、今後の新作のご予定は?

今は新しい読み切りを描いていて、どういった形になるかわからないのですが発表したいと思っています!今までもこれからも自分の「スキ!」を詰めこんだ作品を描いていきますので、楽しみにしていてくださいね。今後はもっと長い話にそれらを詰めこめたらと思っています。

妻から言われた「好きにしたらいいのに」という言葉が胸につかえていた高野准(@takano_66)

本作では、妻が亡くなる1カ月前に言った「好きにしたらいいのに」という言葉がキーとなっている。喫茶店のオーナーからも同じセリフを吐かれるシーンがある。「好きにしたらいい」は突き放す言葉でもあるが、相手を思いやる言葉でもある。主人公は、亡き妻の願いとおりに“好きなように”生きる力を取り戻すことができるのだろうか?

取材協力:高野准(@takano_66)

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