「邪魔なんだよ!!」バスにベビーカーで乗車したら蹴られた!迷惑行為は「あなたの方です」暴言男を降車させられる時代は来る?【著者に聞く】
バスにベビーカーで乗車したら「邪魔なんだよ!畳め!」と怒鳴られ、ベビーカーを蹴られたという事件が話題に。交通機関などでのベビーカー利用をめぐるトラブルが後を絶たないことから「こんな世の中だったらいいのに…」と自らの思いを発信する、イラストレーター志水吹歌ことオカン羊(@shimizoon)さんの漫画「バスとベビーカー」を紹介するとともに制作の経緯を聞く。
できるだけ降りる人の邪魔にならないようにしているママも多いが、それでも文句を言われてしまう


さほど混みあっていないバスの中。ベビーカーを指定の位置に置き、座っていた。すると乗車してきた男性が「邪魔なんだよ!」とベビーカーを蹴り、文句を言ってきた。出来事をXに投稿すると瞬く間に炎上し、話題となった事件。しかし、未だに交通機関でのベビーカートラブルは絶えないという。
志水さんは「赤ちゃんを守らなければいけない。一番不利な人、一人に戦わせる世の中であってほしくない。次こんなことがあれば、きっとヒーローが現れるはずだ‼」という願望をもとに「ヤベェやつが一切共感されないバス」を描いたという。
本作では、座っていた女子高生や写真が趣味の男性など、それぞれができることで赤ちゃんを守った。最後は運転手が「迷惑行為はあなたの方です」と、毅然とした態度で降車を促す。読者からは「最高の連携プレー!本当に、これが現実ならいいのに」「スカッとした!自分もいざというときは行動に移したい」などのコメントが届く。



「この事件があったのは数年前ですが、悪いことは悪い。迷惑行為じゃなくて犯罪。見て見ぬ振りはよくない。と、発言できる空気になってきたことはすごくうれしいです」と、志水さん。

「昔はかばうと『真面目かよw』なんて一緒に馬鹿にされていた時代もありましたから、どうかしてましたよね…。そんな時代から『嫌だけど、自分が標的になるのは怖い』と空気を読んで黙っていた人が、勇気を出して『嫌』『やめろ』と声を出してくれんだと思います」最近では、若者の方がためらわずに人助けをしたり、交通機関でルールやモラルを守ることを大切にしているように思う。

しかし、物事に対し、理不尽に怒鳴り散らす人はいなくはならない。「他人のことを思いやれない、想像力や忍耐力のない人は、残念ですが、変われないんだと思います。空気を読めないから空気が変わったことも気づけない。そういう人が居なくなることはないと思うので、未だにベビーカーを邪魔者扱いする人が絶えないことについては、仕方がないのかなと考えています」と、志水さんも同じように感じていた。
「いじめっ子がつい弱い者いじめをしてしまったときに、ちゃんと止めてくれる人が”3人”いれば、それだけでいいんだろうなと、思っていますし、そういう社会までもう一歩のいいとこまで来ていると信じたいです」と、感じているそうだ。その場で意見を発する、行動するというのはとても勇気がいること。1人ではなくその母数が増えれば、それだけ住みよい世界になれるということだろう。
志水さんはこのほかにも「電車の緊急ボタンについて思うこと」や「痴漢を捕まえられなかった話」など自身の体験を踏まえた「こうなったらいいのに」という漫画を発信している。
取材協力:志水吹歌(@shimizoon)