“訳あり人”専門の引っ越し屋!?…ではなく「夜逃げ屋」のスタッフとなった漫画家の体験談【作者インタビュー】

夜逃げ屋スタッフと社長に泣きつく依頼者のノブコさん画像提供:宮野シンイチさん

子供の頃から漫画が好きで、ユーモア溢れる漫画を描いている宮野シンイチ (@Chameleon_0219) さん。X(旧:Twitter)にて公開された「夜逃げ屋日記」は、DV被害などに遭う依頼者を夜逃げさせた実話を基に描かれ、今回紹介する漫画も2600いいねを超える人気漫画家だ。今回は、X(旧:Twitter)に投稿されている中から「夜逃げ屋日記」の第12話を紹介するとともに、本作に登場する依頼者についても詳しく聞いた。


「もう心がもたない…」追い詰められた依頼者が泣きついた先は「夜逃げ屋」だった

12-1画像提供:宮野シンイチさん

12-2画像提供:宮野シンイチさん

12-3画像提供:宮野シンイチさん

年の暮れに依頼が舞い込んだ。依頼者は大崎ノブコさんと息子のソウスケ君。病弱なソウスケ君の看病のため、ノブコさんは欠勤が続き、解雇を告げられたとのこと。親子は数日以内に社員寮を退去しなくてはならなくなった。年の瀬、引っ越し屋はほぼ仕事納めしていたため、夜逃げ屋に依頼してきたというのだ。一同は「急な引っ越し」の依頼だと思い現場へ向かった。

しかし、部屋に入ると荷造りをしておらず、ゴミ袋が散在していた。「依頼料を払えますか?」社長は家の様子を見て、ただの引っ越しではないと感じ、単刀直入に聞いた。

ノブコさんは動揺した様子で「今日は払えません…」と答えた。解雇と退寮の件で会社と揉め、社内で味方もおらず居場所もないという。そして「お願いします。夜逃げさせてください!」と土下座をして懇願したのだった。貧困と孤立、助けもなく逃げ場もない親子に同情する宮野さん。しかし、「夜逃げ屋」と慈善事業ではないのだ――。

現在も夜逃げ屋のスタッフとしての顔を持つ宮野さんに、登場人物の大崎ノブコさんについて尋ねた。「当時は本当に気の毒に感じました。当日お金を払えないと言ってきた人は、この人が初めてだったので、特にその感情が強かったことを覚えています」と当時を振り返る。

作中の大崎ノブコは家の中はゴミが積まれた汚部屋だ。夜逃げする人にはこのようなことがあるのかと尋ねると「つい先日もありましたし、散らかり具合に個人差はありますが、散らかっていること自体はよくありますね。精神的に追い詰められると、部屋の片付けなんてできないような方は多いようです」と語った。

取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)

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