「このへんは描かん方がいい」「戦争犯罪だから」義父の戦争体験を漫画化し大賞を受賞!“教科書が薄っぺらく思えた”事実と向き合う【作者に訊く】

まげよ(
@mageyoozu
)さんは2024年8月に「お義父さんが生きた戦時中の記憶」を投稿し、竹書房コミックエッセイ大賞を受賞したエッセイ漫画家だ。義父が幼少期に体験した戦時中の暮らしをリアルに描き、体験者ならではの話が興味深い。本作を描いたきっかけや戦争に対するイメージなどについて、まげよさんにインタビューした。
本作を描こうと思ったきっかけと、読者に伝えたい想いとは



作者のまげよさんは、歳の差婚により、昭和1桁生まれの義父母と同居することになった。義父母との会話の中で、歴史の教科書で聞いたことある単語(教育勅語など)が混ざっていたことで、「もしかしたら戦時中の話が聞けるのかな?」と思ったそうで、生きた生の記憶をたくさんの人にも届けたいと思い、勢いで本作を描き始めたそうだ。
実際に義父から生の戦争体験談を聞いたことで、学校で学んだイメージとは違い、それが「本当にあったごく最近の事実」と思うようになったという。
本作を通して伝えたいことについて「子ども目線で見た戦時中の話は、その時代に反してなんだか楽しそうなんですよね。子どもたちを将来戦争の協力者にするための教育もされていたはずですが、それに染まらない子どもの話。しかし、そこに確かにあった戦争の事実。幸せとは、本当に単純な感情だということが伝わるといいです」と語る。
また、単行本化にあたり、日本の太平洋戦争について詳しく調べてたくさんの事実を知り、決して教科書に書かれない苦しみも描いている。まげよさんは「義父の話を聞かなければ、私も一生知ることもなかった事実。戦争が身近にある今だからこそ、皆さんの目にもぜひお届けしたい一心で執筆しています」と読者に向けてメッセージを寄せた。
決して遠い過去の話ではない戦争の実話だが、実体験として聞く機会はなかなか無い。戦時中を知らない世代こそ、ぜひ本編を読んでみてほしい。
取材協力:まげよ(@mageyoozu)