【泣ける漫画】「私の願いは、死んだ人間に会うことだもの」桜にまつわる悲しく美しい話に心洗われる【作者に聞く】
この漫画の主人公は「弔い所」の跡取り息子・宗介。“弔う”という言葉には、死者を慰めるために供養を営むという意味があり、この弔い所もそうなのだが、供養するのは“人”ではなく“神”。宗介の仕事は、物に宿った付喪(つくも)神を供養することだった。

今回依頼を受けたのは、とある一家が100年以上もの間、大切にしてきた桜の木の供養。その桜の木に宿っていたのは、とても美しい付喪神だった!桜の付喪神の最期の願いを叶えるため、宗介たちは願いを問うのだが、彼女は「願いはないわ」と言う。しかし、よくよく聞いてみると「だって、私の願いは、死んだ人間に会うことだもの」と悲しげに笑うのだった。

本作「つくも神弔い所」を描いた七星(@nanataroo_7)さんに話を聞いてみた。
――本作のなかで「細かいところだけどここを見てほしい」といった点や、力を入れて描いたシーンなど著者ならではのこだわりを教えていただけますか?
桜の付喪神様が過去を語るシーンです。100年以上もの長い歳月の中で、ほかの人間とも出会ってきたであろう付喪神様がただひとりのことを鮮明に覚えているというイメージで描いたシーンになります。
――過去の回想シーンはモノクロで描かれていますが、桜の桜の付喪神様の髪の色と、桜の色だけが淡いピンクで色付けされているのも印象的でした!
桜の付喪神様が過去を語るシーンでは、たったひとりのことだけを鮮明に覚えていることが何を意味するか本人はわからずに話してるのですが、そういったじれったさも楽しんでいただけたらうれしいです。

「死んだ人間に会いたい」というとても叶えられそうもない願いだったが、宗介たちは“ある方法”でその願いを叶えてあげることができた。その違った角度からのアプローチとは一体…?最期はやさしい笑顔で思い残すことなく消えていく桜の付喪神の姿が美しい本作品、ぜひこの季節に読んでみてほしい一作だ。
取材協力:七星(@nanataroo_7)
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