「愛猫と同じ名前、それだけだ」と言われ、恋が玉砕!?ツンデレでクールな上司に読者、身悶え!!【作者に聞く】
仕事ができる2歳年上の浅岡主任は黒髪メガネ男子で、イケメンでスタイルもいいが彼女なし。もちろんそんな好条件の男性を女性社員が放っておくわけはなく、社内での人気はすこぶる高かった。そんな浅岡主任に片思いをする主人公・さくらは「その他大勢」のなかのひとりでしかなかった。

しかし何かとさくらの面倒を見てくれていたので、心のどこかで“もしかして”と淡い期待を抱いていたのだが、ある日浅岡主任が「飼い猫と名前が同じで放っておけない、それだけだ」と冷たく言い放っているのを聞いてしまい、さくらはその思いを封印することにした。
読者からは「正統派ラブコメ!」「上司のツンデレ加減が絶妙」「最初から最後までドキドキで、心臓が大変です。『そんなときには、きゅ~○ん、きゅ~○ん』が必要なくらい」という声まで。動悸・息切れに注意して読みたい作品のようだ。

本作の作者は、夏野ばな菜(@NatsunoBanana)さん。現在は企業漫画や子ども向け学習図鑑の挿絵などの仕事をしつつ、「ジャンプルーキー!」にオリジナル漫画を掲載している漫画家だ。夏野ばな菜さんに本作について話を聞いてみた。

――本作は現在連載中の作品「SSS」の番外編に当たるのでしょうか?本作の位置づけを教えてください。
番外編ではなくてまったく別物なんです。と言いますか、「SSS」の前作の「SS」より1年前に描いた漫画になります。漫画が好きでずっと描いていましたが、少年漫画で育ちまして、感情や間を描くことができておりませんでした。そういうのを集中して描くなら女性漫画かな、ということで描いた作品がこちらになります。そして、この作品から恋愛漫画を描く方向性へと進んだ結果が、現在の「SSS」につながっておりますので、恥ずかしくもありがとうと言いたい作品です。
――本作は夏野さんの女性漫画の原点ともいえる作品だったんですね。
いわゆる「修行」のために描いた作品です。単純に、ツンデレ・クールな上司でメガネ属性を描きたかったというのもあります(笑)。絵も構図も拙くて恥ずかしいんですが、「恥ずかしいから」と埋もれさせたままにしておくのは違うな、と。誰かに読んでいただいて初めて作品として成り立つと思ってますのでSNSにアップしました。
――友人から「飼い猫という接点を生かせ」とアドバイスをもらったヒロインが、浅岡主任に「わかりました…にゃん」と返事するシーンに、私まで身悶えしました!
ありがとうございます!あざといわけではなく、恥ずかしそうに控えめにというところが、相手の心を動かすのではと思って描いたシーンです。さくらを描いているときはさくらの気持ちに、浅岡主任を描くときは浅岡の気持ちになりきって、セリフだったり行動だったりを考えて、キャラに寄り添うようにしています。
――たしかに控えめの「にゃん」ですが、破壊力がありましたね!
“キャラに寄り添う”とは言っても、さすがにあの「にゃん」は私も絶対に言えませんけど(笑)。自分ができないことを作中で実現できるのも、漫画を描く楽しみのひとつです。

夏野ばな菜さんは現在「ジャンプルーキー!」にて「SSS」という漫画を連載中。どんな作品か尋ねると、「楽しい職場と愉快なサラリーマンたちが繰り広げるラブコメディがスタートで、現在は登場人物たちが結婚し、家族が増え…そんなにぎやかな日常を描いています」とのこと。「SSS」も人間の内面や人と人のつながりを描いた人間味あふれる物語となっているので、本作を読んで夏野ばな菜さんの作品が気に入った人はぜひ読んでみて!
取材協力:夏野ばな菜(@NatsunoBanana)
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