「ある日突然自分だけ高校生に戻ったら?」「単なるタイムスリップ漫画ではない」高校教師には見えなかった生徒たちの姿からわかること…【作者インタビュー】

タイムスリップかと思いきや、自分だけの時間が巻き戻っているという不思議な事態に!?乃(@no_2n2ru10)

この漫画はタイムスリップもののようで、単なるタイムスリップ漫画ではない。タイムスリップをしたように見せかけて、実は主人公だけが高校生に戻ってしまっている(若返ってしまっている)という設定の漫画なのである。中身は大人なのに、高校の授業を受け、試験勉強に苦戦し、きつい部活に参加して、「学生、しんどい…」ということを思い知らされる。タイムスリップだったら、宝くじか競馬で大儲けするという魅惑的なこともできただろうに…。主人公はもとの自分に戻れるのだろうか?

本作を描いたのは、乃( @no_2n2ru10 )さん。2022年4月期「新世代サンデー賞(小学館)」で奨励賞を受賞し、最近では2024年4月期「モーニング月例賞(講談社)」で奨励賞を受賞した新進気鋭の漫画家兼イラストレーターである。作者である乃さんに詳しく話を聞いてみた。


「誰かに選ばれる大人に」高校生に戻った高校教師の奮闘を描く

青春サジェスチョン_P001乃(@no_2n2ru10)

青春サジェスチョン_P002乃(@no_2n2ru10)

青春サジェスチョン_P003乃(@no_2n2ru10)


本作では、高校教師の主人公“だけ”が高校生に戻っているという設定。この設定にした理由や、着想のきっかけについて、作者の乃さんは「設定は家族との会話の中で生まれました。当時よくタイムスリップをする漫画を読んだり、映画を観たりしていて、その感想を話しているときに『タイムスリップしてるようでしてないってどうかな?』みたいなことを言った気がします。本作は処女作だったこともあり、いざ描いてみたらまぁとんでもなく難しくて。自分の好きなタイムスリップを取り入れたことでなんとかモチベーションを保てました。世の中のタイムスリップ作品すべてに尊敬&感謝です」と話す。

ギャグ要素も交えテンポよく展開していく本作。深いセリフも随所に見かける。「冒頭で主人公の鳳先生が語った『大人はずるくて、夢をおしつけてきて、話聞いてくれなくて、頑固でプライドが高い』というセリフは、私自身が子どものころに大人に抱いていた印象そのままです(だいぶひねくれた子どもだったと思います)。自分が大人と呼ばれるようになった今、自分が子どもたちからそう思われないためにどうしたらいいのかを考えた結果が、『誰かに選ばれる大人になろう!』というセリフでした。描き終えてから数年経って、それがいかに曖昧で難しいかを痛感しています」とセリフに込めた思いを語ってくれた。

最後に「今後、どんな形であろうと漫画を描くことはやめないつもりなので、もしどこかで見かけたら、やさしく見守っていただけますと幸いです」とメッセージを送る乃さん。本作のラストでは、鳳先生だけがタイムスリップをした理由が明らかになる。ぜひ最後まで楽しんでほしい作品だ。


取材協力:乃(@no_2n2ru10)

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