実は内臓破裂だった!事故相手は「救急車いります?」、医師は「打撲」と誤診…放置された結末は?【著者に聞く】

早朝5時。バイトに向かっていた桜木きぬ(
@kinumanga
)さんは、T字路でバイクと衝突。その際にハンドルに腹部を強打し、内臓破裂してしまう。20年経過した今でもトラウマとなっている自転車事故について注意喚起を含めて描く実録漫画「内臓破裂メモリー」を紹介するとともに、当時の事故について話を聞いた。
「打撲」の診断に隠された、命に関わる見落とし



2001年の早朝、当時19歳だった桜木きぬさんは、自転車でT字路に差しかかった際にバイクが突っ込んできた。衝撃で体は前側に吹き飛び、ハンドルが腹部を直撃。道に倒れ込むと「救急車を呼んでください」と伝えるのが精一杯だった。「あと数センチずれてたら即死だったと言われたので、かなり衝撃を受けたのではないでしょうか」と当時を振り返る。
病院に運ばれたが、最初の診断は「打撲」。また外来の時間に来るように言われたが、激痛のあまり立ち上がれず、その場に駆けつけた大家さんの嘆願で、外来時間までベッドで待たせてもらうことに。その後、黄疸が出て精密検査を受けると「肝臓破裂」が判明。即座に集中治療室へ移された。
命を救ったのは、医師ではなく、大家さんの「待たせてほしい」という一言だった。「本当に素晴らしい判断をしてくれた」と桜木さんは感謝している。退院後もアザは10年近く消えず、自転車に乗るのが怖くなり今でも自転車は徐行でしか乗れないという。
「たとえ自分が直進していても曲がり角では往来を確認することが大切」と桜木さんは注意喚起で漫画を発信している。自分の子どもが自転車に乗り始めたのをきっかけに、事故の怖さを伝えたいという思いで描かれた本作。そんな死にかけた体験を時系列で描きながらも、ユーモアを交えたタッチで伝えている。
事故の衝撃と医師の見落とし、それでも生き延びられた奇跡。その体験を描いた作品には、「無事生還できて何より」「大家さんグッジョブ」と読者の声が集まった。桜木さんは、「Xも変わらず日常のエッセイ漫画を載せていきたい」と今後の意欲を語ってくれた。
取材協力:桜木きぬ(@kinumanga)
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