痛快!「キラキラネームは親からの最初の贈り物ではなく最初の暴力にもなる」社会問題に鋭く切り込む【作者に聞く】

昨今の社会問題について、誰も言えなかった言葉で鋭く切り込むコメンテーターのエンドウさん。「もし、こんなコメンテーターがいたら?」を描いた洋介犬(
@yohsuken
)さんの「反逆コメンテーターエンドウさん」が痛快だ。いじめ問題や少年犯罪、偏向報道やアンチにも正面から立ち向かう、世の中の理不尽への皮肉を込めたコメントが読者にびんびん響いている。
本作誕生のきっかけと制作の裏側について作者に訊く



コメンテーターエンドウさんというキャラクターは、SNS投稿用として誕生した。「もし忖度なしで凝り固まった定形のやりとりを無視するコメンテーターがいたらどうなるだろう?」というシミュレーション的な発想から描き始めたそうだ。
エンドウさんの外見は評論家の須田慎一郎氏をモチーフにし、中身のモデルは古代中国の政治家だという。作品の作り方は、明確な構想を用意するのではなく、テーマに沿ってキャラクターがどう答えるかをアドリブで導き出し、それを整理するスタイルを取っているようだ。
反響の大きかった作品として「キラキラネーム」「こどもハーネス」「陰謀論」などが挙げられる。読者の日常に関わるテーマが共感を呼んだようだ。作者の洋介犬さんは「脇役俳優の回など、予想よりも優しい、泣ける話に好感を持ってもらえたのは意外な発見でした」と話してくれた。
漫画を制作するうえで苦労した点は、セリフを大幅に削る必要があることだという。第一稿からセリフを30%以上削ることは日常茶飯事で、難しい用語を使いすぎないよう工夫しているそうだ。直感的に理解できる表現でないと、読者に瞬間的に伝わらないからだ。
議論の目的は「どちらかの勝利」ではなく、「最終的にみんなにとって良い結論が出ること」だと洋介犬さんは考えている。多様な意見が交わされ、それが研磨されて読者の日常に還元されることが理想だという。
「反逆コメンテーターエンドウさん」は現在、第3巻まで書籍化され、「GANMA!」で連載中。政治家のもっともらしい政策や無責任なネット記事に対し、エンドウさんがズバッと切り込む本作。今後もその鋭いコメントに注目したい。
取材協力:洋介犬(@yohsuken)
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