宗教にのめり込んだ母との決別!母と娘の壮絶な別れの瞬間を描いた漫画が話題に【作者インタビュー】

子供の頃から漫画が好きで、ユーモア溢れる作品を描いている宮野シンイチ(
@Chameleon_0219
)さん。X(旧:Twitter)にて公開された「夜逃げ屋日記」は、DV被害などに遭う依頼者を夜逃げさせた実話を基に描かれた人気漫画だ。今回は、Twitterに投稿されている中から「夜逃げ屋日記」の第20話を紹介するとともに、依頼者のお母さんの印象などについて著者に伺った。
「くたばれクソババァ」と叫ぶ娘!宗教に囚われた母への本音とは!?



引っ越し当日、荷物の搬出を終えた依頼者の井上さんは、夜逃げ屋の社長に「駅前を通ってほしい」と頼んだという。理由を尋ねると、「母が宗教のパンフレットを配っているから」と小さな声で答えたそうだ。社長はその思いをくみ取り希望通りにワゴン車を駅前へと走らせると、白い帽子をかぶった女性がにこやかな表情で宗教のパンフレットを配っていたという。その人こそが、井上さんの母親だった。スピードを落としたワゴン車の中から、井上さんと母親の目が一瞬合い、そして車はそのまま静かに通り過ぎていった。
その直後、井上さんが突然「くたばれくそババァ!」と叫ぶ声が、車内に響いた。「今まで聞いたことのない大きな声だった」と、同行していた作者の宮野シンイチさんは振り返る。「いつもは本当に静かな方なんです。だからこそ、あの時の叫びにはびっくりしました」と宮野さんは語る。まるで、30年分の怒りや苦しみが一気にあふれ出たかのようだったという。
ワゴン車の窓から見た母親の姿について、宮野さんは「笑顔で幸せそうでしたが、その笑顔が逆に怖かったです」とも語っている。にこやかな表情でパンフレットを配るその姿は、井上さんにとって恐怖そのものだったのだろう。突然の叫びに驚きながらも、宮野さんは「よほど苦しかったのだろう」と深く同情したそうだ。
現在も夜逃げ屋のスタッフとして多くの依頼者と関わっているという宮野さん。だが「あの日の叫びは今も耳に残っている」と話す。
「夜逃げ屋日記」の第20話のエピソードは、ただの夜逃げの記録ではない。長年声にできなかった叫びが、確かにそこに存在したという証なのである。興味のある人はぜひ読んでみてほしい。
取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)
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