新卒「社会人ってこんなに大変なんだ」ふとした瞬間に涙が!ブラック企業はゴールデンウィークもお仕事です!【著者に聞く】
晴れやかな気分だった入社式。社内で挨拶回りをすると、先輩たちに「私たちは明後日辞めるの、ごめんね」と言われた。さらに内定時期にいた先輩たちも見当たらない。聞けば、「みんな辞めちゃったんだよね」と言われ、一抹の不安がよぎる。「とりあえず、3年は仕事を続けよう」と、深夜残業で体を壊すまで働き続けた、じょん(@John25uru)さんの漫画「暗黒労働編」を紹介する。

社会に出て思ったことは、「社会人ってこんなに大変なんだ」ということ。社内研修や打ち合わせを終えると、すでに定時。そこからようやく通常業務をこなすため、終電ギリギリもしくは深夜を過ぎる日も多かった。

しかし、上司には「社会人は頑張ることが当たり前なんだ」と聞かされる。「社会人ってしんど…」と思いつつも、じょんさんは、それが当たり前だと刷り込まれた。残業が「普通」だと思うようになり、社畜一辺倒の生活が当たり前になった、深夜1時。「早く寝ないと」と思う反面、寝たらもう明日になってしまう、という恐怖が生まれた。

一番辛かったのは、「連休前に仕事を片づけきれず、持ち帰ってお盆休みや正月休みに徹夜して仕事していたことですかね。とてつもなく眠いのにやらなければいけない状況と、せっかくの休みなのに仕事をしているという状況をダブルでくらい、頭がおかしくなりそうでした」と、じょんさんは当時を振り返る。

勤務期間は、「約4年働いていました。今思うと、よくこんなに続けていたなと思います(笑)」とじょんさんは笑う。「当時は『とりあえず3年は続けよう』とか、そんな考えにも縛られていたような気がします。睡眠時間の記録を見返すと、当時は徹夜や2時間、3時間、4時間睡眠ばかりで我ながら戦慄しました。とてつもなくハードでしたが、仕事の基準が上がり、メンタルもだいぶ鍛えられました」大変だったが、振り返ると大きくスキルアップできた。

現在は、ホワイトな企業へ転職。しかし、転職活動も231社落ち続けるという不遇にあう。本作を描き始めたのは、「転職活動の体験記の本でも書いたら?」と言われたことがきっかけだとか。「会社を退職してから転職活動をしていた時期が長く、200社以上応募して面接も何十社と受けてきました。その話を親にしていたら驚かれ、父にそう言われました。確かに、自分みたいな経験をしている人はあまりいないだろうから、おもしろそうだなと思いました。でも、明らかに前職でハードワークしていた時の方がネタが豊富だなと思ったので、社会人になってからのエピソードから順に描いていくことにしました」

社畜から就活難をくぐりぬけ、ようやく希望の「定時上がり」を手に入れたじょんさん。「睡眠不足というのはもちろん身体に悪いですが、自分の好きなことに時間を割けないという精神的なダメージもかなり身体に悪いです」と、経験者は語る。

最終的に退職を決めたのは、「身体に症状が出始めたためです。『あ、これやばいな…』と危機感を感じました。やはり健康が一番なので…」眠れなくなったり、突然涙が出たり、じょんさんのようにじんましんが出るなど体に異変を感じたら、過度のストレスを抱えているかもしれない。
取材協力:じょん(@John25uru)
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