「空を飛べても幸せになれない?」自由と引き換えに人生を売った男の結末は——「飛ぶ男」が問いかける“生きる意味”【作者インタビュー】

満月に向かって飛ぶ画像提供:勝見ふうたろー(@mangaka_tsumi)

空を見上げて、鳥のように飛べたら自由になれる気がした。自分の人生に何の価値もないと思っていた中年男性が「空を飛べる」力をもらう代わりに自らの人生を売った勝見ふうたろー (@mangaka_tsumi) さんの「飛ぶ男」を紹介しよう。本作は、2024年5月に投稿された読み切り漫画で、4000を超えるいいねがついている。

「夢も希望もない孤独な人生」を手放して、空を飛ぶ男が見た景色とは

飛ぶ男1画像提供:勝見ふうたろー(@mangaka_tsumi)

飛ぶ男2画像提供:勝見ふうたろー(@mangaka_tsumi)

飛ぶ男3画像提供:勝見ふうたろー(@mangaka_tsumi)

43歳サラリーマン独身の長島夢彦は、疲労と孤独の中で生きていた。ある日、「空を飛んでみたくないですか?」と聞かれた夢彦は、人生の全てと引き換えに、自分の力で自由に空を飛ぶ力を手に入れる。躊躇なく手放した「夢も希望もない孤独な人生」だったはずが、夢彦は自由に空を飛ぶことができても、孤独感に襲われる。そして人生の価値に失ってから気づいたのだった——。

本作「飛ぶ男」を描いたきっかけについて聞くと「絵として『背広のおじさんが空を飛んでいる』のが、非常におもしろいと思ったのが始まりです。漫画は絵が面白いのが、まず最初に大事なことだと思っています」と作者の勝見ふうたろーさんは話す。 

おじさんが魔法使いのように空を飛ぶ。ファンタジーかと思いきや、後半は人生の虚しさ、そして救いを感じさせられる作品だ。見どころについて聞くと「カルト宗教に飲み込まれていくような、不気味な怖さを伝えたいと思いました。ただ最初からそれを全面に出すと人を選びそうな気がしたので、初めのシーンは楽しそうにしておいて、少しずつ本来のテーマに誘導していきました」と話してくれた。

物語の終わりには、夢彦は「空を飛ぶこと」を選んだ人たちと満月を目指して飛んでいく。「月というものが、僕にとっては『欲しいけれど、実際に手にしてはいけないもの』の象徴だからです。綺麗で魅惑的には見えるけど、実際には過酷な環境なわけですから。パンドラの箱のようなイメージが強くあります」と勝見さんは語った。

今作以外にもヒューマンドラマやエッセイも描いているとのこと。幅広く活躍する勝見さんが気になる人は、ぜひチェックしてみてほしい。

取材協力:勝見ふうたろー(@mangaka_tsumi)

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