【アパレル】80万円も洋服を買ったお得意様がご来店!店員の心からの接客に笑顔になるマダム【作者に聞いた】

ぼのこ(@bono_gurai)さんは、SNSやブログを中心にリアル&コミカルな漫画をいくつも公開している。2025年6月現在も連載中の『アパレる』はアパレル店員の日常がリアル&コミカルに描かれている。今回は本作をお届けするとともに、アパレル店員の経験がある作者にお得意様の接客などについても話を聞いた。

先日お得意様が洋服を80万円も買ってくれ、その日は一日の予算をあっという間に達成!その方が来週の月曜日にまた来店するという情報をつかんだ店長は、急遽月曜日のシフトを変更。その日は販売力の高いスタッフだけを出勤させ、どのスタッフでもお得意様を対応できるような万全の体制を取るという。

そして月曜日になるが、13時を過ぎてもお得意様が来ることはなく、スタッフは仕事のやる気をなくし始めて店長は放心状態…。春子が店頭のショーウィンドウを一生懸命掃除していると、一人のマダムに「『見覚えのある顔』だと思ったらこの前の店員さん!」などと声を掛けられて話が弾む。

実はこのマダムがお得意様なのだが、春子はまだその事実に気が付いていない…。マダムは「『次に来たときは私に合う服を見繕ってもらう』って先日約束したものね」と言うと、春子と一緒にお店へ入っていく。

春子はマダムのコーディネートを見て「前回ご購入いただいたシャツですよね?」などと会話を盛り上げ、今日はどんなシーンで着られる服を探しているかと尋ねる。するとマダムは、夏はほぼ毎日仕事三昧で「ドレスやスカートよりも、今私が買うべきなのはむしろ…パンツ」だということに気が付く。

そこでマダムはどっちのパンツが似合うか春子に聞くと、マダムの背後に店長が現れて春子を見て黒のパンツを指さすではないか!?店長は予算の達成に必死なので、何としても黒の方を買ってほしいようだ。

けれど、春子は前回マダムに合う洋服を自信を持ってすすめられなかった経験から、「私はこっちがいいと思います!」と白いパンツを自信を持ってすすめる。春子の心からの接客に触れて、マダムも笑顔になるのであった。

――店長が言う「あの方」とは、先日春子が接客したお客さんでしたね。実際にお得意様が来店すると、販売員は積極的に接客することが多いですか?
もちろん新規のお客様にも配慮をしつつ、お顔見知りの方やリピートのお客様には、よりパーソナルなお声がけをすることがあります。「先日のお召し物の着心地はいかがでしたか?」「ご旅行は楽しめましたか?」など、少し踏み込んだ会話を交えることで、関係性を深めるよう心がけていました。
――春子は今回心からお客さんに似合う服をおすすめできたようですね。この点について、ぼのこさんの意見をお聞かせください。
初めは誰もが純粋な気持ちで販売に臨みますが、数字と向き合う日々の中で、その目的が曖昧になってしまうことがあります。今回の春子の接客は、「数字はお客様に喜んでいただけた結果」という本質に立ち返るきっかけだったのではないかと感じました。
今回は売上の数字に囚われずマダムに似合うパンツをすすめられた春子。ぼのこさんはほかにも数多くの作品を描いているので、興味があればぜひ一度読んでみて!
取材協力:ぼのこ(@bono_gurai)
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