「嫁ぎ先での扱いが使用人以下」義母からいじめ抜かれる娘のピンチに実父が取った勇敢な行動とは!?【作者に聞いた】

2025年6月27日

これでもかと嫁をイビリまくる毒義母に、一見優しそうだけどドケチで超自己中な夫…そのリアルすぎるストーリーが話題を呼んだ漫画『義母クエスト』。それらのエピソードがさらにパワーアップして、昨年末、漫画『義母クエストリターンズ～ヤバすぎる義母との負けられない30年戦争～』として帰ってきた！

前作に引き続き、『義母クエストリターンズ』の内容はAmeba公式トップブロガー・かづ(@kadu0614)さんの実体験に基づいたもの。今回は、壮絶な人生を生き抜いてきた原案者のかづさんと、迫力ある作画でストーリーの魅力を引き出している、漫画担当の赤星たみこ(@tamikong)さんに話を聞いた。

【漫画の本編を読む】『義母クエストリターンズ～ヤバすぎる義母との負けられない30年戦争～』

2人の息子が独立し、現在は夫と猫と穏やかで満ち足りた生活を送る還暦を迎えた主婦・かづさん。しかしこの幸せな生活を手に入れるまでには、壮絶な闘いの日々があったという。

看護学生だったかづは、病院実習中に出会った秋彦から好意を寄せられ、付き合い始めてすぐに結婚を決意。幸せな結婚生活を夢見たのも束の間…結婚直後から義母による、まさかの嫁イビリがスタート！嫁いだ娘の様子がおかしいことに気づいた父は、夫・秋彦に圧をかける。すると、さすがの秋彦もビビったようで…。

かづさんと赤星さんに話を聞いた

コミック『義母クエストリターンズ』の原案者であるかづさんと、漫画を担当した赤星たみこさんの両者に話を聞いた。

――作中で、かづさんのお父様が夫・秋彦さんに釘をさしたシーンがありますが、具体的にこのときは、どういうことがあったのでしょうか？

【かづ】父としては、私が「嫁」として頑張ることはある意味「当たり前」だと思っていたんです。その点は昭和の男ですからね。けれども、原作にも書いていますが、奉公に行かせたわけでもないのに扱いが使用人以下で、夫もあれほど「親と縁を切る。養子に入ってもいい」とまで言ったくせに、母親が散々、口出ししてくることに全くの無関心。それらすべてに対して「お前勘違いしてないか？かづにはワシらがおるんや！調子に乗るのもええ加減にせぇ！」と圧をかけたんだと思いました。前作の『義母クエスト』でも描かれていますが、私の両親が家に来た際には「僕の許可なしになんで呼ぶんだ！」と両親の目の前で走って逃げだします(笑)。もう夫は、母親が後ろ盾になるとわかってからは、なりふり構わずに怖いものなしになっていくんですよ。

――お父様はかっこよかったそうですが、かづさんにとって、お父様はどのような存在でしたか？

【かづ】私は父が22歳のときの子で、父はとにかく男前でした。映画スターのような色男でしたね。工務店を経営していたので若い衆もたくさんいましたし、それこそ自治会・PTA・子ども会・釣りクラブといろいろなところで会長をしていました。それが今の私にも影響をしています。地域のイベントがあると今で言う実行委員とでも言うんでしょうか、ねじり鉢巻きで先頭に立っていましたし、商店街を父と歩くとあちらこちらのお店から威勢のいい声が掛かります。娘が言うのもなんですが、本当に頼りになる町の人気者でした。

近所で喧嘩があると父に知らせに来る人もいて、「よっしゃ！待っとれ！今行く！」と飛び出して行ってました。私が柔道を始めたきっかけはいろいろあるんですが、父が「柔道はええぞ！素手で戦える！」と目をキラキラさせて言ってました。素手で戦えるって…それも小2の娘に(笑)。私が高校卒業後の進路に警察官を選んだときには、「お父さんはいろんな悪いことをしてきたけど手ぇが後ろに回るようなことはしてへんから安心せぇ！」と言っていて、子ども心に「いろんな悪いことって？」「安心とは？」と思いました(笑)。結局、警察官は私の視力が左目弱視だったためにダメだったんですけどね。父は気風のいい色男だったのでいろんな方から頼りにされていたんですが、その分、母は大変だったと思います。今生きていたら83歳ですが、バイクに乗って毎日ひ孫を保育園に迎えに行くと言いだしかねないムダに元気な爺になっていたと思います。

――かづさんのお父さんは、キリっとしていてかっこよく描かれていますよね。かづさんのお父さんを描かれる際に気を付けたことやこだわったことがあれば、教えてください。

【赤星たみこ】かづさんのお父さんは、かづさんご自身が「田宮二郎さんに似ていた」とおっしゃっていたので、田宮二郎さんをイメージしながら描きました。ハンサムでかっこいいお父さんで、かづさんも大好きだったとのこと。エピソードの端々に出てくるお父さんの言葉も、かっこいいですよね。

――本作では「夫婦」の在り方についても考えさせられるところがあります。赤星さん流の、夫婦円満の秘訣を教えてください！

【赤星たみこ】1つのタスクをやってもらうのに3～5年はかけるつもりで、「感謝してのばす！」という風にやってきました。おかげで、今では夫は料理全般なんでもできるし、食器洗いも洗濯も掃除もゴミ出しもできるようになりました。

これは、やっぱり「言わなきゃ伝わらない」ということが大きいと思います。普段は私のほうがやってるんだからちょっと食器を下げただけじゃ感謝なんかできない！と思っていると、何も言いたくないですよね。そこで何も言わないより、ちょっとでもやってくれたんだから、そのことだけには感謝していると、それだけ伝える。自分の望みの0.001％くらいしかやってないとしても、とりあえずほめて感謝する。それを続けていくと、望みの0.1%くらいやってくれて、1年後2年後には10%くらいやってくれて、3年後には30％、4年後には70％、5年後には90%くらいはやってくれるようになります。最初の1年は確かに大変だけど、3年目くらいから確実に相手も成長しているという実感が出てきます。5年目くらいで90％できるようになるのを目指して頑張ったら、今では私の望み通りの家事をやってくれるように。

子どもに家事を教えるより、大人で人格も出来上がっている人に家事を教えるほうがはるかに難しいです。子どもは素直に教えを吸収するけれど、大人は「自分のやり方」(間違っていたとしても自分のやり方)が染みついているので、その上に新たなやり方をしみこませるのは、本当に本当に本当に大変。そういう覚悟を持って、1つのことを5年かけてゆっくり…というつもりでやると、理想の夫、理想の夫婦に近づいていくと思います。

壮絶な状況に立ち向かうかづさんの行動力と人間力、さらにそれを臨場感あふれる絵や展開で表現している赤星さんの漫画…2人の強力なタッグにより、読み応え抜群の漫画となっている『義母クエストリターンズ』。まだの人は、ぜひ読んでみて！