号泣必至!手はおばあちゃんみたいにシワシワ…命を譲ることに使命感を持つ主人公と自分のために生きてほしい親友との話【作者に聞く】

ヒカリは、死にかけの野良猫を助けたり、病気で困っている人の寿命を延ばすことができる。ただ、命を分けてあげることで、自分の寿命は少しずつ減っている。だから彼女の手は、もうおばあちゃんみたいに骨ばっていてシワシワだ。困っている人を助けることが自分の使命だと感じているヒカリと「自分のために生きてほしい」と願う親友のミユキ、2人の友情を描いたマトマ( @y_har3 )さんの『寿命をゆずる友だちの話。』を紹介するとともに制作秘話を聞いた。


自分の命は、自分のもの。「なんでヒカリが誰かのために生きなきゃいけねーんだよ!!」

寿命をゆずる友だちの話。(9)画像提供:(C)マトマ/KADOKAWA

ヒカリは人の寿命が見える。そして必要な分、自分の命を譲ることができる。そんな不思議な能力を聞きつけ、「いくらでも払うから、命を譲ってくれ」という人が後を絶たない。ヒカリは、お金と引き替えにバーゲンセールのようにホイホイと寿命を渡していた。

寿命をゆずる友だちの話。(7)画像提供:(C)マトマ/KADOKAWA

そんなヒカリを心配するのは、幼馴染みのミユキ。ヒカリの指先は、命を削る代償でおばあちゃんみたいにシワシワだ。自分の命を削って人を助ける姿を見ているミユキは、ヒカリの生き方に納得がいかない。

寿命をゆずる友だちの話。(8)画像提供:(C)マトマ/KADOKAWA

ある日、ヒカリは告白してきた男の子と付き合うことになった。青天の霹靂だったが、彼は病気で入院中の妹にヒカリの寿命を譲ってほしくて近づいたのだった。ヒカリを利用するために近づいた彼にブチ切れたのはミユキ。ヒカリよりもミユキが一番ヒカリの命を大切にした。

寿命をゆずる友だちの話。(18)画像提供:(C)マトマ/KADOKAWA

寿命が見える女の子の着想は、マトマさんの実体験がベース。「社会の中で人の顔色をうかがって、気に入られようと無理をして、思ってるよりも他人には雑に扱われて…、そういうすごく自分をすり減らしていた時期がありました。そこから、自分をすり減らしているヒカリみたいな『寿命バーゲンセール女』が生まれました」と話す。

寿命をゆずる友だちの話。(19)画像提供:(C)マトマ/KADOKAWA

本作は、読み切り版がベースになっているが、「連載では読み切り版では描いてなかったヒカリの生い立ちに触れたり、ヒカリとミユキの楽しい日常、そして2人の友情の行く末を最後までしっかり描いています」と見どころを話す。

寿命をゆずる友だちの話。(20)画像提供:(C)マトマ/KADOKAWA

こだわったところは、「かわいいプリクラやシールを眺める感覚で見てもらいたかったので、フルカラーで描いています。また、各話のサブタイトルも一つひとつ意味を考え、こだわってつけたので、ぜひ注目して見てもらえたらうれしいです」とコメント。

寿命をゆずる友だちの話。(21)画像提供:(C)マトマ/KADOKAWA

本作には、表と裏のテーマがある。「表のテーマは『女と女の友情』です。自分にも大事な女友達がいるので、その大切さを描きました。 裏は『人生の生き方』がテーマになってます。ヒカリには物語のいろんな場面でたくさん葛藤させました。優しさで心をすり減らす人ほど、自分のために生きてほしい、そういう想いが込められています」

『寿命をゆずる友だちの話。』は、 カドコミ でも試し読みができる。「ガチで号泣します。2人のやりとりや空気感がとても微笑ましく、寿命を譲ることができるという重いテーマを中和し、素晴らしい作品となっています」「久しぶりに漫画で泣きました」と号泣必至のコメントも多数届く。

寿命をゆずる友だちの話。(22)画像提供:(C)マトマ/KADOKAWA

「いつか女と女の友情の話が描きたいと思ってて、自分の描きたかったものがすべて一冊に詰め込めました。 読み切り版の1話で終わらせず、ちゃんと最後まで描いて本当によかったと思うので、お声がけしてくださったキューン編集部様や応援し続けてくださった読者の方々に本当に感謝しています」


取材協力:マトマ(@y_har3)

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