見たもの全てを記憶する「シャッターアイ」が暴く死の謎!便利すぎる能力が招く“意外な苦悩”とは【作者に聞く(後編)】

「シャッターアイ」という特殊能力を持つ主人公の憲。見た光景を一瞬で記憶し、二度と忘れることができない。そんな彼が仕事中に見つけた遺体の男は、どこか見覚えがあり――。第87回ちばてつや賞で期待賞を受賞した可惜夜季央さん(@atarayokio)の漫画『記憶遺棄』について、制作の裏側(後編)を紹介する。
【後編】「人の多面性」を描く…特殊能力の“意外なデメリット”



漫画を描くテーマについては、「人の多面性というか、はたから見てごく普通の人が、実は変な人だったり、すごい能力がある人だったり、物凄い経験をしてる人だったり、サイコパスだったり、そういった外面からは想像もつかない“ある一面”をどんな風に見つけて、見せていこうかな、みたいなことはいつも楽しみたいし、楽しんでほしいと思っています」と、深い人間観察から生まれる作品の魅力を語った。
見たものを画像のように記憶する便利な能力「シャッターアイ」について、主人公はつらい思いをしてきたのか尋ねると、「彼の空気の読めない性格が起因している部分も大いにあるが、そうですね」と肯定。「彼の保守的な性格から、自分を守るためにもネガティブな思い出の方が記憶としての優先度が高く、思い起こされてしまうのかもしれません」とコメント。続けて、「勉強に関しては、彼は何の障害もなくイージーモードだったはずだ」と、能力の持つ側面を解説した。
常に頭痛に苛まれるのは、膨大な記憶を脳が処理しきれず、高速回転し続けているような状態なのか聞くと、「そうですね、常に脳内フル回転だから日常生活ではぼんやりしがちで、気遣いまで頭がいかない」と、能力ゆえの苦悩を教えてくれた。
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