【ホラー漫画】毎夜聞こえる「ドォン」という音の正体は?“ほん怖”脚本家が紡ぐリアルホラーの話題作について作者に話を聞いた
「怖かったら一杯無料」を謳い文句に、実話ホラーを語ってくれる客を待つ、スナック店主兼シナリオライターのエミ。霊感ゼロながらも、なぜか彼女の元には続々とコワイ話が集まってくる…。そんな珠玉の“コワイ話”を1話完結で展開していく漫画『丑三つ時、コワい話はこのBarで』。そこにつづられているストーリーは、実際に起きた体験エピソードがもとになっているというから驚きだ。
今回は、第2話『何度も何度も、落ちて来る』を紹介するとともに、原作者の穂科エミさん、漫画を担当している近原さんのお2人に話を伺った。

ある日、エミの店に訪れたのは、警備の仕事を始めたという男性。勤めて以来、気力がなくなり肩も重いと言う彼は、仕事中に起こったある不気味な出来事について語り始めた。警備中に「ドンッ」という音がして駆けつけると、そこには…!?


原作者・穂科エミさん&漫画担当・近原さんインタビュー
漫画『丑三つ時、コワい話はこのBarで』の原作者であり、フジテレビ『ほんとにあった怖い話』や『呪怨 THE LIVE』の脚本家でもある穂科さんと、本作の漫画を手掛ける近原さんに話を聞いた。
――いろいろな方の恐怖体験などをお聞きになっていると思いますが、穂科さんの見解では、やはり「(霊などが)見えやすい」人や「憑かれやすい」人はいるのでしょうか?
【穂科】いると思います。霊が「見える」ことよりも、「引き寄せてしまう」人がいるという感覚のほうが近いかもしれません。共通しているのは、心身が不安定なときや、何かに強く囚われているとき。そういう“隙”に入ってくる「何か」があるのではないかと思います。
――個性的な登場人物が多いのも魅力の1つです。キャラクターについては、どのように考えられたのでしょうか?
【穂科】先述したように怖い体験をした経験のある方は、日々の生活のなかで知らないうちに隙ができてしまい、何か“ズレ”が生まれてしまうのではないかと。そういう人たちがこのBar『ジンファーヌ』に自然と集まってくる気がしていて、そのズレがキャラクターの核になっています。エミは「見えない」からこそ探るという立場に。ジュニアはその逆で、何も言わずとも“見えている”側の人間。そんなバランスを取るように配置しています。
【近原】メインキャラクターのビジュアルはある程度、穂科さんからイメージはいただいていたので、そこから私が少し肉付けをさせていただいています。エミは一見さっぱりとした性格の綺麗な女性ですが、どこか少し抜けているというか親しみやすい表情と雰囲気を意識しています。ジュニアは逆に表情が少なく、何を考えているかわかりづらいミステリアスな雰囲気を意識しています。K-POPアイドルのような金髪オールバックは穂科さんからのご提案でした。1話で登場した美和ママは、いただいたシナリオのイメージから素直に描き起こした感じで、1番描きやすいですね。
――1番気入っているのは、どのキャラクターですか?
【穂科】ジュニアですかね。彼はまだまだ謎が多く、書いていても「この先何を言い出すんだろう」と思わされます。一見クールで愛想がいいとは言えないですが、実はエミを誰よりも理解していて、物事の本質を突いてくる人物。魅力的だなあと思います。
【近原】美和ママです。見た目も好きですし、豪快に見えますが繊細な所もありつつ、とてもかわいらしい人なので描いていて楽しかったです。
特に、今回紹介した『何度も何度も、落ちて来る』は原作者・穂科さんの実体験エピソードがもとになっているそうで、“本当にこんなことが!?”と考えながら読むと、より一層怖くて惹き込まれる。『丑三つ時、コワい話はこのBarで』は書籍も発売中なので、ぜひそちらもチェックしてみて!
取材協力:穂科エミ(@hbdg1999)、近原